イズラエル・フォラウ

イズラエル・フォラウ

オーストラリア出身のラグビー選手、イズラエル・フォラウ（Israel Folau）は、1989年4月3日にミントで生まれました。身長194cm、体重103kgの恵まれた体格を活かし、ウィング（WTB）やセンター（CTB）としてプレー。現在はジャパンラグビーリーグワン所属の浦安D-Rocksで活動しています。

異色の競技キャリア

フォラウのスポーツキャリアは、ラグビーユニオンから始まるものではありませんでした。当初はオーストラリアンフットボールリーグ（AFL）のプロ選手として活躍。異種競技でトップレベルを経験した後にラグビーユニオンへ転向するという、非常に珍しい経歴を持っています。この経験が、彼のフィジカルの強さや空中戦での優位性に影響を与えていると見られます。

ラグビーユニオン転向後は急速に頭角を現し、2013年にスーパーラグビーの名門ワラターズに加入。ワラターズでは驚異的な得点能力を発揮し、スーパーラグビー史上最多となる通算60トライという金字塔を打ち立てました。これは、彼のトライゲッターとしての非凡な才能を示す記録です。

オーストラリア代表と波紋

ワラターズでの活躍により、イズラエル・フォラウはオーストラリア代表、ワラビーズに選ばれます。通算73キャップを獲得し、世界の強豪と渡り合いました。特に、ラグビーワールドカップ2015では主要メンバーとしてチームを牽引しました。

日本への最初の機会は2015年。NTTドコモレッドハリケーンズへの加入が内定していましたが、怪我のために登録は実現しませんでした。

彼のキャリアにとって決定的な出来事が2019年に発生します。信仰に基づく自身の考えをSNS等で繰り返し発信した内容が大きな議論を呼び、結果として同年5月に所属していたオーストラリアラグビー協会との契約を解除されました。この一件は、アスリートの言動と契約に関する国際的な論争へと発展しました。

日本リーグワンでの現在

オーストラリアでの契約解除後、フォラウは一時的にラグビーリーグへと活動の場を移します。2020年にはフランスのカタラン・ドラゴンズに加入し、プロ選手としてのキャリアを継続しました。

その後、再び日本のラグビー界へ挑戦することを決意します。2021年、当時のジャパンラグビー トップリーグに参戦していたNTTコミュニケーションズシャイニングアークスへの加入を発表。そして、2022年1月8日のリーグワン開幕節、コベルコ神戸スティーラーズ戦で先発出場し、日本での公式戦デビューを果たしました。

2022年7月、NTTグループ内のチーム再編により、浦安を拠点とする浦安D-Rocksが誕生。フォラウは新チームの選手スコッドに名を連ね、引き続きリーグワンでプレーしています。

国際舞台では、オーストラリア代表での輝かしいキャリアの後、2022年8月時点ではルーツであるトンガ代表として1キャップを獲得しています。

プレースタイルと展望

イズラエル・フォラウの強みは、その驚異的な身体能力と卓越したトライセンスです。194cmの長身と抜群の跳躍力は、ハイボールやキック処理の場面で圧倒的なアドバンテージをもたらします。また、パワフルなランとオフロードパス能力も彼の特徴であり、ウィング、センターとしてラインブレイクやチャンスメイクに貢献します。

キャリアにおいて数々の山と谷を経験してきたイズラエル・フォラウ。現在、日本の浦安D-Rocksでプレーする彼は、その豊富な経験と世界レベルのスキルをチームに還元しています。リーグワンの舞台で、彼がどのようなインパクトを与え、チームを勝利に導くのか、今後の動向から目が離せません。

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