イツハク・イエディッド

イツハク・イエディッド（Yitzhak Yedid、ヘブライ語: יצחק ידיד, 1971年9月29日 - ）は、イスラエル出身の作曲家であり、卓越したピアニストとしても知られています。彼の音楽は、ジャズ、クラシック、即興音楽を融合させた、革新的なスタイルが特徴です。

経歴

イエディッドは、エルサレムのルービン音楽アカデミーで音楽の基礎を築き、その後、ボストンのニューイングランド音楽院に進学。ラン・ブレイクやポール・ブレイといった著名な音楽家から指導を受けました。1999年には、初のCD『Compositions for Solo Piano』をMusaレーベルからリリースし、その才能が広く認められるようになりました。

スカンディナヴィアでは、ピアニストのマイケル・スミスのゲストとして招かれ、スウェーデンでは、ピアニストのローランド・ペンティネンとジョイント・コンサートを行うなど、国際的な活動を展開。2001年には、セカンドCD『Inner Outcry』をリリースしました。

2002年には、ウィーンで開かれた「サード・ストリーム」フェスティヴァルのオープニングのために組曲『Tachanun』を作曲。この曲は、ファーブルーム室内音楽祭など、イスラエル国内で繰り返し演奏され、高い評価を得ました。

ドイツのレーベル、Between the Lines recordsの委嘱により制作された『Myth of the Cave』は、2002年にリリースされました。この5楽章から成る作品は、ドイツ、オーストリアの他、カナダのバンクーバー国際ジャズ・フェスティバル、イスラエルのテルアビブ・ジャズ・フェスティバルなど、世界各地で演奏されました。

2003年には、『Passions and Prayers - Sextet in homage to Jerusalem』をBetween the Lines recordsのために作曲。技術的に複雑でありながら、メランコリックな美しさを持つこの作品は、2004年にイスラエル・フェスティバルで初演され、2005年8月にCDリリースされました。

2004年には、再びウィーンの「サード・ストリーム」フェスティヴァルからの委託を受け、『Reflections upon Six Images』を作曲。この作品は、イマジネーションの世界に触発されたイメージ、カラー、テクスチュア、カルチャーの結合と分離を表現したもので、同年9月にウィーン・フェスティバルで、同年11月にはイスラエルの「Etnakhta concert」シリーズで演奏され、2005年8月にCDリリースされました。

2005年には、『Oud Bass Piano Trio』を作曲し、シビウ（ルーマニア）、オーストラリア、カナダ、さらにアメリカなど、世界各地で演奏されました。

2002年には、イスラエルのジャズ・サックス奏者、Abatte Barihunと「Ras Deshen」というデュオ・グループを結成。同年9月には、エチオピア音楽とフリー・インプロヴィゼーションを融合させたアルバムをリリースしました。

主要作品

Since my Soul Loved（2005年） - 5楽章からなるピアノ五重奏曲。
Chagall Project（2006年） - 7曲のピアノ・ソロ小品。
Nine images for Violin Cello and Piano（2006年） - ピアノ三重奏曲。

ディスコグラフィ

Full Moon Fantasy (1999年)
Inner Outcry (2001年)
Ras Deshen (2002年)
Myth of the Cave (2003年)
Passions & Prayers, Sextet in Homage to Jerusalem (2005年)
Reflections upon Six Images (2006年)
Oud Bass Piano Trio (2008年)
Since My Soul Loved (2009年)
Through the Window of Marc Chagall (2010年)
Arabic Violin Bass Piano Trio (2012年)
Visions, Fantasies and Dances: Music for String Quartet Sapphire String Quartet (2014年)
* Angels' Revolt (2019年)

イツハク・イエディッドは、その卓越した音楽性と革新的なアプローチで、現代音楽界において重要な存在となっています。

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