イドカダイ

イドカダイ (Iduqadai)

イドカダイ（生没年不詳）は、13世紀初頭にモンゴル帝国に仕えた千人隊長の一人です。モンゴル語名イドカダイは、漢字で亦都合歹(yìdōuhédǎi)と表記されます。

概要

1206年のモンゴル帝国建国時、チンギス・カンによって95名の千人隊長の一人に任命されました。『元朝秘史』の功臣表では66位に列せられています。しかし、彼の出自やチンギス・カンに仕えるまでの経緯は記録されていません。

チンギス・カンが息子たち（ジョチ、チャガタイ、オゴデイ）や兄弟たち（カサル、カチウン、オッチギン）に千人隊を分封した際、イドカダイはバルラス部のカラチャル、バアリン部のココチュス、ジャライル部のムゲらと共にチャガタイの王傅に任ぜられました。イドカダイを含む4人の率いる千人隊は、後のチャガタイ・ウルスの原型となりました。

ペルシア語史料『集史』にはイドカダイに関する直接的な言及はありませんが、「チャガタイにはバルラタイ・カラチャルの千人隊と、ムカ・ノヤン(モゲ)の千人隊と、その他2つの千人隊が与えられた」という記述があります。この記述から、名前が伝えられていない千人隊長の一人がイドカダイであると考えられています。

初期チャガタイ・ウルスの4千人隊

バアリン部のココチュス
バルラス部のカラチャル
ジャライル部のムゲ
出自不明のイドカダイ

参考文献

杉山正明『モンゴル帝国と大元ウルス』京都大学学術出版会、2004年
村上正二訳注『モンゴル秘史 2巻』平凡社、1972年
* 村上正二訳注『モンゴル秘史 3巻』平凡社、1976年

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