イヌタデ属

イヌタデ属（Persicaria）について

イヌタデ属（Persicaria）は、タデ科に属する植物のグループです。かつてはタデ属（Polygonum s.l.）にまとめられていましたが、研究が進むにつれて、いくつかの属に分割されました。その結果、タデ属はミチヤナギ属という和名に変わりました。

分布

イヌタデ属の植物は、ほぼ全世界に広く分布しています。

特徴

イヌタデ属の花序は、穂状または頭状の形状をしています。具体的には、サナエタデ節とミズヒキ節は穂状、タニソバ節と sect. Echinocaulon は頭状です。

系統と分類

イヌタデ属は、いくつかの節に分類されます。標準的な分類では、sect. Persicaria（タデ）、Tovara、Echinocaulon、Cephalophilon の4つの主要な節に分けられます。

主要な4節と近縁属を含めた系統関係は以下の通りです。

sect. Persicaria (タデ)：多様な種を含む
Tovara：ミズヒキなど
Echinocaulon：特徴的な形態を持つ
Cephalophilon：タニソバなど

その他の節について

sect. Rubrivena を加えて5節とする説もありましたが、分子系統の研究により、この節の種はオンタデ属に位置づけられることが示唆されています。また、sect. Amphibia と Truelloides というそれぞれ1種からなる節をサナエタデ節から分離する説もありますが、sect. Amphibia はサナエタデ節内に含まれると考えられています。

主な種

イヌタデ属には、以下のような種が含まれます。

サナエタデ節 sect. Persicaria

約60種が含まれます。

Persicaria acuminata
Persicaria bicornis
Persicaria careyi
Persicaria decipiens
Persicaria dubia
Persicaria glabra
Persicaria hirsuta
ヤナギタデ Persicaria hydropiper
Persicaria hydropiperoides
サナエタデ Persicaria lapathifolia
イヌタデ Persicaria longiseta
ハルタデ Persicaria maculosa
Persicaria minor
Persicaria odorata
オオケタデ Persicaria orientalis
アメリカサナエタデ Persicaria pensylvanica
Persicaria punctata
Persicaria robustior
Persicaria setacea
ミゾソバ Persicaria thunbergii
アイ（タデアイ） Persicaria tinctoria
エゾノミズタデ Persicaria amphibia - sect. Amphibia ?
ハリタデ Persicaria bungeana - sect. Truelloides ?

タニソバ節 sect. Cephalophilon

約15種が含まれます。

ヒメツルソバ Persicaria capitata
ツルソバ Persicaria chinensis
Persicaria microcephala
タニソバ Persicaria nepalensis
Persicaria runcinata

ミズヒキ節 sect. Tovara

3種が含まれます。

ミズヒキ Persicaria filiformis
Persicaria virginiana

sect. Echinocaulon

約21種が含まれます。

Persicaria arifolia
Persicaria bungeana
Persicaria meisneriana
イシミカワ Persicaria perfoliata
アキノウナギツカミ Persicaria sagittata
ママコノシリヌグイ Persicaria senticosa

イヌタデ属は、多様な種を含む興味深い植物群です。これらの植物は、様々な環境に適応し、独特の生態系を形成しています。

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