イモータルヴァース

イモータルヴァースは、2008年5月1日、アイルランドで生まれた競走馬です。フランスで調教を受け、数々の輝かしい戦績を残しました。その血統は、母系にブリーダーズカップ・マイル優勝馬ラストタイクーンの半妹を持ち、父はナンソープステークスの勝ち馬ピヴォタルという、まさにサラブレッドの銘血を受け継いでいました。

1歳馬のセリ市で、名調教師ロバート・コレ氏に見出され、高額で落札されました。コレ氏は、数々の名馬を手がけた名伯楽として知られています。イモータルヴァースは、リチャード・ストローク氏所有のもと、競走馬としてのキャリアをスタートさせました。

2010年のデビュー戦は快勝で幕を開けました。続く重賞レース、オマール賞では惜しくも2着。しかし、このレースでその潜在能力の高さを示しました。

2011年は、クラシック路線への挑戦となりました。ルーヴル賞、プール・デッセ・デ・プーリッシュと大舞台に挑みましたが、思うような結果を残せず、苦戦を強いられました。しかし、彼女はここで諦めませんでした。サンドリンガム賞で重賞初勝利を挙げると、勢いに乗ってロイヤルアスコット開催のコロネーションステークスでも勝利。G1競走初制覇という快挙を成し遂げました。

そして迎えたジャック・ル・マロワ賞。ゴルディコヴァ、プラントゥールなど、ヨーロッパを代表する強豪馬がひしめく中、イモータルヴァースは、最後方から驚異的な末脚を発揮。粘り強く逃げ続けるゴルディコヴァを差し切り、G1競走2連勝を達成しました。この勝利は、彼女の潜在能力の高さを改めて証明するものでした。

続くクイーンエリザベス2世ステークスでは、無敗のフランケル、エクセレブレーションに敗れ3着。このレース後、蹄の故障で満足な調整ができなかったことが明らかになっています。その後、日本への遠征を果たしマイルチャンピオンシップに出走しましたが、7着という結果に終わりました。

2012年シーズンは、春のレースを全休して7月のロートシルト賞で復帰。しかし、思うような結果を残すことができず、連覇を目指したジャック・ル・マロワ賞でも8着と低迷しました。このレースを最後に、イモータルヴァースは現役を引退しました。

引退後は繁殖牝馬となり、2019年には父カラヴァッジオとの間に生まれたテナブリズムが、2021年のチェヴァリーパークステークス、2022年のジャンプラ賞を制覇するなど、その血統は現在も活躍を続けています。

イモータルヴァースは、華麗な末脚と勝負根性で多くのファンを魅了しました。短期間の華々しい活躍は、競走馬としての彼女の才能の高さを物語っています。そして、繁殖牝馬としての成功も、彼女のサラブレッドとしての素晴らしさを証明しています。彼女の血統は、これからも競馬界に貢献していくことでしょう。

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