イラン空軍

イラン・イスラム共和国空軍の概要

イラン・イスラム共和国空軍（IRIAF）は、イラン・イスラム共和国の空軍を組織する部隊であり、国の空域と領土を守る役割を果たしています。この空軍は、1979年のイラン革命の後に設立され、当時のパーレビ国王が退位したことを受けて、イランの航空戦力を再編成した結果として誕生しました。現在の司令官はハミッド・ヴァへディ准将です。

編成と背景

IRIAFの編成は、革命前の時代から引き継がれている部分が多く、アメリカやイギリス、イタリアといった西側諸国から購入された戦闘機やヘリコプターが多数存在します。イラン・イスラム共和国革命後もソ連や中国から新たに戦闘機や輸送機が導入され、その数は多岐にわたります。特に、湾岸戦争の際にイラクから亡命した機体も多く含まれています。

ただし、革命前に購入した戦闘機は、西側諸国との関係が悪化したために部品供給が停止し、あいまいな状態に陥っています。さらに、革命後に導入したソ連製機体についても、エンジンの寿命が短く、整備のコストが高いという課題があります。これらの要因から、全体的な稼働率は低下していると考えられています。

機種とその数

IRIAFは、多様な機種を保有していますが、革命前に取得した機体の全容や稼働機数については不明な点が多いです。以下は、保有する主な機体のリストです。

戦闘機/攻撃機

• - F-14A トムキャット - 41機
• - MiG-29B/UB - 19機
• - F-5A/B/E/F/アザラフシュ/サーエゲ - 102機
• - F-4D/E ファントムII - 64機
• - Su-24MK - 36機（内24機はイラクから亡命）
• - F-7M/FT-7 - 17機
• - F-6/FT-6 - 15機（退役済）
• - ミラージュF1EQ/BQ - 12機（イラクから亡命）

輸送機/作戦支援機

• - C-130E/H ハーキュリーズ - 28機
• - P-3F オライオン - 5機
• - Il-76MD - 5機
• - Il-76AEW - 2機（イラクから亡命）
• - ボーイング707 - 4機（空中給油機/輸送機）
• - ボーイング747 - 9機（空中給油機/輸送機）
• - ボーイング707 - 2機（電子戦機）

特に注目すべきは、国産開発が進められたステルス戦闘機「ガーヘル313」であり、イランの航空技術の発展を示しています。

結論

イラン・イスラム共和国空軍は、1980年代以降も古い機体を駆使しながら、国の防空任務を担ってきましたが、機体の老朽化や整備の問題が影響し、稼働率は低めです。それにもかかわらず、多様な機種の導入によって、国の航空戦力を一定程度維持しています。今後は新しい技術の導入と機体の更新が求められるでしょう。

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