インドネシアの副大統領

インドネシアの副大統領

インドネシアの副大統領は、インドネシア政府において大統領に次ぐ第2位の役職であり、大統領が職務を遂行できない場合にその役割を代行する重要なポジションです。2004年以降、大統領と副大統領は5年ごとの直接選挙で選出されるようになりました。

歴史

副大統領職は、1945年憲法に基づいて設立され、モハマッド・ハッタが初代副大統領に選出されました。独立戦争中には、ハッタとスカルノがオランダ軍に拘束され、一時的に緊急政府が設立されるなど、激動の時代を経験しました。

独立後、一時的に議院内閣制が採用された時期には、副大統領の役割は限定的なものとなりましたが、1973年にハメンクブウォノ9世が副大統領に就任して以降、再び重要な役職として認識されるようになりました。スハルト政権下では、副大統領は「予備タイヤ」と揶揄されることもありましたが、1998年のスハルト失脚後、メガワティ・スティアワティ・スカルノプトゥリが副大統領に就任し、その重要性が増しました。

2004年以降は、国民の直接選挙で大統領と副大統領が選出されるようになり、副大統領候補選びが重要な意味を持つようになりました。モハマッド・ユスフ・カラが、直接選挙で選ばれた最初の副大統領です。

立候補の条件

副大統領の立候補には、様々な条件があります。

インドネシア国籍であること
特定の年齢以上であること
犯罪歴がないこと
身体的、精神的に職務遂行が可能であること
納税義務を履行していること
過去に2期以上副大統領を務めていないこと
パンチャシラ、1945年憲法、インドネシア独立宣言の理念に忠実であること
共産党に関与していないこと

選挙、就任宣誓、任期、憲法の規定

副大統領は、大統領とともに直接選挙で選ばれます。当選後には、就任宣誓または誓約を行い、正式に副大統領に就任します。任期は5年で、再選は1回まで可能です。

権限

副大統領の権限は、憲法に明記されていませんが、慣例として大統領が職務を割り当てます。

継承順位と弾劾

大統領が死亡、辞任、または職務遂行不能となった場合、副大統領が大統領の職を引き継ぎます。また、憲法の規定により、副大統領は弾劾される可能性もあります。

元副大統領

元副大統領には、年金が支給され、住居や医療費の補助などの待遇が与えられます。

歴代副大統領の一覧

(歴代副大統領のリストは省略)

インドネシアの副大統領は、その歴史の中で様々な役割を担い、インドネシアの政治において重要な位置を占めています。現在(2024年10月20日)は、ギブラン・ラカブミン・ラカが副大統領を務めています。

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