インドネシアン・エアロスペース

インドネシアン・エアロスペース (Indonesian Aerospace)

インドネシアン・エアロスペース (IAe)、またはインドネシア語での名称PT. Dirgantara Indonesia (DI)は、インドネシアにおける航空機製造の主要な国営企業です。この企業は、民間機や軍用機など多岐にわたる航空機の設計、開発、製造を行っています。

企業の設立と歴史

この企業は1976年に、スハルト政権の下で国有企業として設立されました。当初の名称はIndustri Pesawat Terbang Nurtanio (IPTN)であり、1985年にはIndustri Pesawat Terbang Nusantara (IPTN)に改名され、最終的に2000年に現行の名称に変更されました。インドネシアン・エアロスペースは、航空機の開発と生産に加え、通信、自動車、海洋、情報技術、制御と自動化、石油とガス、軍事、シミュレーション技術、産業用タービンなど多角的な業務を展開しています。

企業設立当初、メッサーシュミット等の外国の技術者を招聘し、スハルト政権の支援を受けながら技術開発を進めてきました。このような国のサポートが、インドネシアの航空産業の基盤を築く要因となりました。

生産した航空機

インドネシアン・エアロスペースは、さまざまな航空機を生産しています。固定翼機と回転翼機の2つの種別があります。

固定翼機

同社が手掛けた固定翼機には、以下のようなモデルがあります。

1. CN-235: 民間用、軍用、海洋用に使われる航空機で、スペインのCASAと合弁事業で開発されました。
2. NC 212: CASA C-212のライセンス製造が行われ、主に小型輸送機として使用されます。
3. N 250: ターボプロップ民間機の試作モデルであり、1995年に初飛行が行われましたが、アジア通貨危機の影響で開発は中止されました。
4. N 2130: ジェット民間機の計画がありましたが、試作機の製造前に中止となりました。
5. N-219 Nurtanio: ターボプロップ機として開発が進められています。
6. KF-21: 韓国航空宇宙産業との共同開発による戦闘機です。

回転翼機

回転翼機では、以下のようなヘリコプターが生産されています。

1. NAS 330J: アエロスパシアル製のピューマのライセンス生産。
2. NAS 332: ユーロコプター製のスーパーピューマのライセンス生産。
3. NBell 412: ベル412のライセンス生産を行っています。
4. NBO 105: MBB Bo 105のライセンス生産。

現在、インドネシアン・エアロスペースは研究開発に力を入れ、新たな航空機の市場においても多くの期待が寄せられています。国際的な協力を積極的に進めながら、インドネシアの航空産業を強化し続ける企業として、今後が注目されます。

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