インドラヴァルマン3世

インドラヴァルマン3世の生涯と業績

インドラヴァルマン3世（生年不詳 - おそらく960年）は、チャンパ王国第7王朝の第2代国王であり、911年から960年にかけて在位しました。彼の名前は、サンスクリット語やラテン文字においてもさまざまに記載されており、時代を超えた多くの文献に言及されています。特に『新五代史』や『宋史』ではその名が記され、シュリーシャーナヴァドレーシュヴァラの碑文では彼の教養について称賛が寄せられています。

生い立ちと即位

彼はバドラヴァルマン2世とウグラデーヴィーの間に生まれました。特にウグラデーヴィーは、ジャヤ・シンハヴァルマン1世の従姉妹であり、彼の家系は強力な血筋を持っていました。父の死後、若いインドラヴァルマンは王位に就き、チャンパ王国を率いることとなります。

文化と宗教への貢献

918年、彼はヤンプナガラにあるポー・ナガル塔にバガヴァティーの金像を奉納しました。これは彼が宗教的な信念を強く持ち、かつ文化的な貢献をする意欲があったことを示しています。彼の治世は、文化的な繁栄とともに、哲学や文学の振興を目指した時代でもありました。

外交と戦争

930年、彼は南漢軍の侵攻を受け、宝物を献上せざるを得ない状況に追い込まれました。945年から946年の間には、クメール軍による侵攻を受けましたが、彼は果敢に戦い、敵を撃退しました。ただし、この戦いの結果として、ポー・ナガル塔に奉納した金像を奪われる痛手を負ったのです。

951年には後周に朝貢し、988年11月5日には使者アブー・ハサンを遣わして猛火油や薔薇水の琉璃瓶を献上しました。翌年の959年には、さらに別の贈り物を持った使者を送っています。これらの行為は、彼の外交能力や他国との関係構築における姿勢を表しています。

歴史的意義

インドラヴァルマン3世は、その治世を通じてチャンパ王国の文化的繁栄に寄与しただけでなく、外敵との戦いにおいても重要な役割を果たしました。彼の業績は、当時のチャンパ文化の重要な一端を担っており、現代においても歴史的に大きな意義を持っています。彼の行動や思想は、後世の東南アジアの歴史に影響を与え、今なお研究の対象となり続けています。

参考文献

• - George Cœdès (1968). The Indianized States of South-East Asia.
• - Geetesh Sharma (2010). Traces of Indian Culture in Vietnam.
• - Charles Higham (2004). Encyclopedia of Ancient Asian Civilizations.
• - 石井米雄、桜井由躬雄 編『東南アジア史 I 大陸部』
• - 各種歴史書籍および古典文献

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