インド・パキスタン分離独立

インド・パキスタン分離独立の歴史

1947年8月、イギリス領インド帝国が分割され、インド連邦とイスラム教徒が多いパキスタンの二国が独立しました。この出来事は、独立後の両国に大きな影響を与えました。

分離の背景

第二次世界大戦の結果、イギリスは植民地支配を継続するのが困難になり、インドの独立が避けられない状況になりました。イギリスはヒンドゥー教とイスラム教の分離を支持していた一方、インド国内での宗教間対立が徐々に深刻化していました。特に、全インド・ムスリム連盟の指導者であるムハンマド・アリー・ジンナーは「二民族論」を提唱し、ヒンドゥー教徒とイスラム教徒の分離を訴えました。これに対抗するかたちで、マハトマ・ガンディーは統一インドを目指し、宗教的障壁を越えた共存を呼びかけました。

分割決定とラドクリフ・ライン

イギリス政府は最初、さまざまな妥協案を模索しましたが、合意は得られませんでした。1947年6月、英領インド帝国の最後の総督ルイス・マウントバッテンはインドとパキスタンの分割を決定しました。この時、土地の分割線を策定する役割を果たしたのがシリル・ラドクリフでした。彼が引いたラドクリフ・ラインにより、パンジャーブ地方やベンガル地方の分割が実施されました。

この急激な変更により、1600万人以上が故郷を追われ、約100万人が命を落とす大惨事となりました。ヒンドゥーとイスラムの間で、暴力と迫害が横行し、互いの不信感が持続的に悪化しました。

難民問題と社会的混乱

独立の際に発生した大量の移動の中で、ヒンドゥー教徒、シク教徒、イスラム教徒たちがそれぞれ多数派の地域に逃れ、反対側からは難民となる人々が押し寄せました。この移動は非常に混乱し、暴力や殺戮が引き起こされました。特にパンジャーブ地方では、屁時は悪化しました。多くの人々が家族や友人を失い、負の遺産として紛争が続く原因となったのです。

独立後の影響

パキスタンは1947年8月14日に独立し、その翌日にはインドも独立しました。ジンナーがパキスタンの総督となり、ネルーがインドの首相に就任しましたが、この新たな国の道は厳しいものでした。多くの人々が新たな生活を始める中で貧民地区やスラムが発生し、社会不安の元となりました。

また、ガンディーはヒンドゥーとイスラムの融和を促進する活動を行っていましたが、彼に対する反発も強まりました。結果として、1948年1月に彼は暗殺され、その死は印パ関係の歴史における悲劇の象徴として語られています。

軍事対立と核開発への道

印パ関係はその後、互いに核武装が進むきっかけとなりました。パキスタンは東と西に領土が分かれる不安定な状況にあり、この状況はバングラデシュの独立戦争や第三次印パ戦争へと繋がりました。全体として、インドとパキスタンの対立は国際的な問題を引き起こし、両国互いに査証の発給を行わない状況が続いています。

今なお、両国の関係は複雑で、共同の敵として中国との関係が深化しているほか、かつての歴史的背景が影響を及ぼしています。この印パ分離独立は、ただの歴史的事件だけでなく、今日のサウスアジアにおける対立の根源を形作っています。

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