インノケンティウス13世 (ローマ教皇)

インノケンティウス13世について



インノケンティウス13世(InnnocentiusXIII, 1655年5月13日 - 1724年3月7日)は、ローマ教皇として知られています。彼の本名はミゲーレ・アンジェロ・コンティで、1721年から1724年の間、教皇職を全うしました。彼の治世は、ジャンセニスム問題と中国の典礼に関する論争が大きなテーマとなり、多くの議論を呼び起こしました。

生涯の軌跡



インノケンティウス13世は、イタリアのローマ近郊に位置するポーリで生まれました。彼はアンコーナローマで教育を受け、その後、教会の重要な役割を果たすことになります。教皇クレメンス11世の時期に枢機卿に昇進し、教皇使節としてポルトガルに派遣されました。ポルトガルでの任務では、イエズス会に対する否定的な見解が形成され、これが後の政策に影響を与えることになります。

1721年、クレメンス11世が死去した後の教皇選挙では、彼の人柄と人徳が評価され、インノケンティウス13世として教皇に選ばれました。彼の治世中には大きな事件は発生しませんでしたが、教会内の内部問題には真剣に取り組みました。

教皇としての課題



インノケンティウス13世のアプローチの中でも特に注目すべきは、ジャンセニスムに対する対応です。ジャンセニスムは、カトリック教会の中で新たな信条を形成する運動であり、教会の教えと親和性が低いとされていました。このため、彼は反ジャンセニスムを強く打ち出し、既存の教会の教義を守る姿勢を貫きました。特に、「ウニゲニトゥス」という教皇勅書の取り下げを望む司教団の要求には応じず、逆にこの勅書を再確認する内容の文書を発表しました。この結果として、一部のジャンセニストが反発し、1723年にはカトリック教会から離脱してユトレヒト教会を設立する事態となりました。

同時に、彼は中国におけるイエズス会の宣教活動に対しても厳しい姿勢を見せ、新規会員の入会を禁じる方針を示しました。この決定は、党派的な争いを引き起こす原因ともなりました。

イングランドとスペイン階段



教皇としての活動の中で、インノケンティウス13世はイングランドにおける王位継承問題にも関心を寄せました。この論争において、彼はジェームズ2世の子、すなわち「ジェームズ3世」と称されるジェームズ・フランシス・エドワード・ステュアートに支持を表明したことが知られています。

また、彼は有名なスペイン広場にあるスペイン階段の建設を指導したことでも知られています。ローマの重要な景観の一部となっているこの階段は、彼の治世における重要な功績として評価されています。

結論



インノケンティウス13世の教皇としての治世は、多くの内外の政治的・教義的課題に直面しましたが、彼は一貫して教会の教義を守る姿勢を貫きました。彼の影響は、教会内部での対立を一定程度に抑える果たしますが、ジャンセニスムイエズス会問題に関しては、彼の政策が後の教会の動向に影響を与えることとなります。

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