インパヴィド級駆逐艦

インパヴィド級駆逐艦

インパヴィド級駆逐艦（イタリア語: caccia classe Impavido）は、イタリア海軍のミサイル駆逐艦のクラスで、主に防空任務に特化した設計となっています。

歴史的背景

第二次世界大戦後、イタリア海軍は駆逐艦の国産化を奨励しました。1950年から1951年にかけて、インペトゥオーソ級が建造され、その後の計画において第2次5ヶ年計画でインパヴィド級が設計されました。この級は、アメリカ海軍がフォレスト・シャーマン級から派生したチャールズ・F・アダムズ級に基づいた発展的なアプローチを採っており、基本形としてインペトゥオーソ級の技術を利用しています。

設計と性能

インパヴィド級の設計は、インペトゥオーソ級の改良型で、中央船楼型を特徴としています。新たに導入されたフィンスタビライザーにより、航行安定性が向上しています。そのパワーユニットは、古典的なフォスター・ホイーラー式ボイラーを用いており、蒸気圧力は50 kgf/cm²、温度は450°Cで、出力は65,000馬力から70,000馬力へと増強されました。この結果、最大速力は34.5ノットに達しました。

装備

C4ISRの強化

防空艦としての役割を担うため、レーダーシステムはインペトゥオーソ級よりも強化されており、対空捜索レーダーのAN/SPS-12や対水上捜索用のMM/SPQ-2、さらに3次元レーダーのAN/SPS-39が装備されています。これらは後に改良型のプレーナアレイアンテナに更新されました。また、ソナーはAN/SQS-23に強化されており、1970年代中盤にはSADOC-2戦術情報処理装置が搭載されています。

武器システム

武器については、先代の後部5インチ砲を廃し、Mk.13ミサイル発射装置とMk.74ミサイル射撃指揮装置が搭載されました。この設計により、艦対空ミサイルの運用が可能な初の艦艇となりました。初期にはターターを使用していましたが、後にSM-1MRに換装されました。対空火力は38口径127mm連装砲にて確保され、近接防御のための76mm単装砲も設けられました。40mm機銃の代わりに76mm砲が選ばれたのは、より高い火力が求められたためです。

対潜能力にも考慮され、当初は305mm対潜迫撃砲が検討されましたが、最終的には324mmの短魚雷発射管が採用されました。さらに、ヘリコプター甲板が装備されており、哨戒ヘリコプターの運用に対応できるようになっています。

同型艦の運用

インパヴィド級は、次世代艦であるスーパー・アウダーチェ級の計画遅延により、長らくイタリア海軍で活躍しましたが、1990年代初頭にはデ・ラ・ペンネ級が就役することが見込まれ、1991年から1992年の間に退役しました。

結論

インパヴィド級駆逐艦は、その防空能力と多様な武装を通じて、戦後のイタリア海軍に重要な役割を果たしました。この艦級は、後の艦艇設計や運用の基盤を築くものであり、イタリア海軍におけるミサイル駆逐艦の発展に寄与しました。

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