イーガー皇帝の逆襲

『イーガー皇帝の逆襲』（英：Yie Ar Kung-Fu II: The Emperor Yie-Gah）は、1985年にコナミ工業（現コナミデジタルエンタテインメント）からMSX向けにリリースされたアクションゲームです。MSX版『イー・アル・カンフー』の正式な続編にあたり、ゲーム内タイトル画面には『Yie Ar Kung-Fu II』の表記もあるため、『イー・アル・カンフーII』のサブタイトルで称されることもあります。

概要

本作は、前作が純粋な1対1の対戦型格闘ゲームであったのに対し、複数の敵キャラクターが一度に登場する面クリア型アクションゲームの要素が大きく取り入れられています。操作方法には、前作のMSX版に加え、アーケード版やファミリーコンピュータ版の要素も組み込まれており、左右で移動、斜め方向で上下段攻撃、ボタン単体で中段攻撃、上+ボタンで斜めジャンプなど、操作デバイスと機能が必ずしも直感的に統一されていない独特の特徴が見られます。

物語の主人公は、前作の主人公であった李（リー）の息子、李英（リー・ヤング）です。プレイヤーはリー・ヤングを操作し、「イーガー皇帝」を名乗るチャーハン一族の生き残りである立人（リー・ジェン）とその一味の打倒を目指します。

ゲームは各面が4画面構成となっており、プレイヤーはボスの待つ場所へ到達するために、手前の3画面を進んでいく必要があります。道中では、前作に登場したフィードルの部下だった忍者をはじめ、様々なタイプの敵と戦うことになります。時には「小敵隊」と呼ばれる3人組の敵が集まって出現し、これを全て倒すと烏龍茶の葉を入手できます。この葉を5枚集めると烏龍茶が1つ手に入り、使用することで体力を全回復させることができます。烏龍茶は最大3つまでストック可能です。また、ボスとの対戦場所にはラーメンが隠されており、これを取得すると一定時間無敵状態になれます。ボスのリー・ジェンを打ち倒すとその面はクリアとなり、ゲームは2周目へと進みます。

本作は、前作とは異なり2人対戦モードも搭載しています。2人対戦時は、1Pプレイヤーはリー・ヤング固定ですが、2Pプレイヤーはイェン・ペイ、ラン・ファン、プー・チンのいずれかを選んで対戦することが可能です。

ユニークなエピソードとして、当時のコナミ工業本社近くにあった餃子の王将を社員が頻繁に利用しており、王将で餃子1人前を意味する符丁「イーガーコーテル」からゲームのタイトル名が着想されたという説が語られています。

さらに、スロットが複数搭載されているMSX本体を使用している場合、スロット2に前作のカートリッジを挿入して本作をプレイすると、プレイヤーがピンチに陥った際に父親であるリーの亡霊が現れ、助けとして烏龍茶を落としてくれる隠し要素が存在します。

登場キャラクター

主要なキャラクターは以下の通りです。

LEE YOUNG（リー・ヤング）：本作の主人公。前作主人公リーの息子。
LI JEN（リー・ジェン）：本作の最終ボス。「イーガー皇帝」を僭称する髭面の男。雷を落として攻撃してきます。
YEN PEI（イェン・ペイ）：青い中華服を着た人物。赤い辮髪を鞭のように用いて攻撃します。2P対戦で使用可能。
LAN FANG（ラン・ファン）：白い上着に赤いスカート姿の女性。前作のファンと同様に鉄製の扇を武器とします。2P対戦で使用可能。
PO CHIN（プー・チン）：赤い服の笑みを浮かべた大男。放屁攻撃で相手を麻痺させてから攻めます。2P対戦で使用可能（海外の一部機種では登場しない）。
WEN HU（ウェン・フー）：緑色の服の男。身に着けた般若の面を飛ばして攻撃します。仮面は撃ち落とすことも可能で、その場合は仮面を拾いに行きます。
WEI CHIN（ウェイ・チン）：緑のズボンにモヒカンの男。ブーメランを投げつけて攻撃します。
MEI LING（メイ・リン）：赤いチャイナドレス姿の女性。短剣を巧みに使って攻撃します。前作MSX版・FC版に登場したLangの妹にあたります。
* HAN CHEN（ハン・チェン）：覆面、帽子、眼帯という装いの男。爆弾を投擲して攻撃します。イーガー皇帝の一番弟子とされます。

移植

MSX版のオリジナルに加え、様々なプラットフォームに移植・配信されています。主なものとして、MSX用『コナミゲームコレクション Vol.1』（SCC対応版）、プレイステーション/セガサターン用『コナミアンティークスMSXコレクション』、i-revo、Wii/Wii Uのバーチャルコンソール、PS3/PSPのゲームアーカイブス、そしてプロジェクトEGGでの配信があります。

日本国外では、コモドール64、Amstrad CPC、BBC Micro、ZX Spectrum、Thomson TO7-70など、多くの機種で発売されました。

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