イーグル沢井

イーグル沢井

概要

1967年12月16日生まれ、東京都新宿区出身の元女子プロレスラー。本名を澤井知子といい、ファンからは「トッコちゃん」の愛称で親しまれていました。そのプロレスキャリアは、ジャパン女子プロレスおよびLLPWを主舞台とし、約20年以上にわたり多くの記憶に残る戦いを繰り広げました。

キャリアの幕開けと方向転換

プロレスラーとしての第一歩は、1986年に旗揚げされたジャパン女子プロレスにて踏み出しました。団体設立時のメンバーとして名を連ねましたが、デビュー戦は旗揚げ興行ではなく、同年9月5日に後楽園ホールで行われた大会での伊藤勇気戦となりました。デビュー当初は、片足のみがロングタイツになったカラフルなコスチュームを着用し、ルックスを活かしたアイドル系レスラーとしての活躍が期待される向きもありました。しかし、体重の増加と共にそのファイトスタイルは変化を見せ、次第にパワーとラフファイトを前面に出すようになります。ヒール集団「GUREN隊」の一員として頭角を現し、その後のキャリアを決定づけるヒール路線を歩み始めました。

LLPW移籍とその後のチーム活動

1992年、ジャパン女子プロレスの解散に伴い、LLPWへと活躍の場を移します。LLPWにおいてもヒールとしての道を突き進み、新たなチームとして「平成GUREN隊」を結成（後に「G-MAX」と改称）。このチームは、他団体で活動していた猛毒隊や裁恐軍といったヒールユニットと合流することで、「平成裁恐猛毒GUREN隊」へと発展しました。この連合軍はFMWやJd'といった他のプロレス団体のリングにも進出し、その圧倒的な存在感とラフファイトで猛威を振るい、多くの話題を提供しました。

平成裁恐猛毒GUREN隊の解散後も、イーグル沢井のヒールとしての活動は続きます。風間ルミ、井上貴子といった団体内外の実力者たちと共に、新たなヒールユニット「ブラックジョーカー」を結成し、激しい抗争を繰り広げました。

ブラックジョーカーでの活動を終えた後は、一時的にシングルプレイヤーとして試合を重ねます。その後、長年の盟友であり、ジャパン女子時代からの付き合いである立野記代とタッグチーム「ビッグレディ」を結成し、LLPWのタッグ戦線で存在感を示しました。

主な得意技

イーグル沢井は、その恵まれた体格とパワーを活かしたダイナミックな技を得意としました。自身の名を冠した必殺技をはじめ、破壊力のある技で相手を追い込みました。

イーグルキャノンボム: カナディアン・バックブリーカーの体勢で相手を担ぎ上げ、そこからトルネードボムのように旋回しながらマットに叩きつける、見た目にも豪快なフィニッシュホールドです。
ボディーアタック: その巨体を活かした、相手にぶつかっていくシンプルながらも強力な体当たり技です。
サンダーファイヤーパワーボム: 強力なパワーボムの一種で、相手を高く持ち上げてマットに叩きつける破壊力のある技です。
ミサイルキック: トップロープからジャンプして放つ蹴り技。体の大きさに反して、意外な俊敏性を見せる技でした。

獲得タイトル

長年のキャリアの中で、様々なタイトルの獲得経験があり、その実力と功績を証明しています。

LLPW認定シングル王座
LLPW認定タッグ王座
LLPW認定6人タッグ王座
太平洋岸タッグ王座
* UWAインターナショナル女子王座

引退

2007年5月20日、後楽園ホールで開催された大会で、約20年以上に及ぶ波乱万丈な現役生活に終止符を打ちました。引退試合では、かつてGUREN隊で共に戦った盟友である尾崎魔弓とタッグを組み、ジャパン女子プロレスの同期であるハーレー斉藤＆ダイナマイト・関西組と対戦。初期の仲間たちとの一戦で、レスラー人生を締めくくるという印象的な形でリングを降りました。

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