イージー・フイルム

株式会社イージー・フイルム：アニメ制作の軌跡

株式会社イージー・フイルム（E&G FILMS）は、かつて日本に存在したアニメ制作[[会社]]です。その歴史は、1971年に仕上げスタジオとして活動を開始した「有限会社イージー・ワールド・プロ」に遡ります。

設立と成長

イージー・ワールド・プロは、東映動画（現：東映アニメーション）出身で、海外でも活躍したアニメーター村田四郎氏を中心に作画制作部を立ち上げました。窪詔之氏の指導のもと、「シルバーホークス」や「サンダーキャッツ」など、アメリカのランキンバス・プロ作品の制作を通じて、徐々に作画制作部門を強化していきました。

その後、小山信夫氏、大地丙太郎氏らと共に撮影スタジオ「株式会社ラッキーモア」を吸収合併し、1988年7月に「株式会社イージー・フイルム」として正式に発足しました。萩原攷司氏が代表取締役社長に就任し、大地氏と小山氏が取締役を務めました。

作画、演出、仕上げ、撮影部門と一貫した制作体制を確立したことで、テレビシリーズのグロス請け（制作全般の下請け）が可能となり、当初はシンエイ動画の『おぼっちゃまくん』などの制作に協力しました。1990年代に入ると、シリーズ単位でのアニメーション制作元請けを担うまでに成長し、海外映画配給のエノキフイルムや、テレビ東京、テレビ東京メディアネットが企画したアニメーション制作を数多く手がけました。

事業所

本社は東京都武蔵野市に位置し、演出・作画部は別の場所に置かれていました。また、海外展開として、インドネシアのジャカルタに現地法人「P.T BINTANG JENAKA CARTOON FILM（BJCF）」を設立し、自社テレビアニメ作品の動画、仕上げ、背景作業を担っていました。

代表作と時代背景

1990年代のイージー・フイルムは、角川書店グループ、キングレコード、テレビ東京メディアネットなどが企画・制作するメディアミックス作品のアニメーション制作を多く担当しました。その中でも、1995年から1997年にかけて制作されたテレビアニメ『スレイヤーズ』シリーズは、同社を代表する作品となりました。

特に第1作『スレイヤーズ』と第2作『スレイヤーズNEXT』は、原作ファン、アニメファン双方から高い評価を受け、文庫原作のメディアミックス作品としては異例とも言えるほどの成功を収めました。

しかし、メディアミックス業界発展期の1990年代は、企画立案から放映開始までのスケジュールが非常に短く、アニメシリーズの制作も低予算、短納期、納期厳守が求められる小規模な企画が多かったため、出版社などの下請けとして活動する企業にとって、収益性や効率性は決して高いものではありませんでした。

解散

2002年以降は、他社作品の下請け作業や、アニメシアターX（AT-X）の『著名作家シリーズ』など、CSのアニメ専門チャンネル向けの低予算・小規模作品を中心に手がけました。そして、2002年12月から2003年3月にかけて放映された『バロムワン』を最後に解散しました。その後も法人自体は存続していましたが、2025年1月24日付で登記記録の閉鎖を理由として法人格も消滅しました。

主な作品

イージー・フイルムは、元請け・下請け問わず、数多くの作品に携わりました。

テレビアニメ：スレイヤーズシリーズ
劇場アニメ：翔べ!ペガサス 心のゴールにシュート
OVA：Memories Off

その他、多くのアニメ作品の制作協力、仕上げ、撮影などを担当しました。

関連人物・企業

アニメインターナショナルカンパニー：仕上出身の三浦亨氏が代表取締役社長を務めていました。
* アニメーション・プラネット：仕上出身の曽根由貴子氏が設立しました。

イージー・フイルムは、短期間ではありましたが、多くのアニメーターや制作スタッフを輩出し、日本のアニメーション業界に貢献しました。

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