ウィットビー

イングランド北東部の魅力的な港町：ウィットビー

ノース・ヨークシャー州北部に位置するウィットビーは、北海の荒波に面した歴史深い港町です。ノース・ヨーク・ムーアズ国立公園の一部にも指定されており、美しい自然と歴史的建造物が調和した景観が魅力です。7世紀に修道院の建立を起源とし、長い歴史の中で、港町、リゾート地として発展を遂げてきました。

ジェームズ・クックとエンデバー号

ウィットビーは、18世紀の偉大な探検家、ジェームズ・クック船長と深く関わっています。1768年、クック船長はウィットビーで建造されたエンデバー号に乗り込み、歴史的な太平洋航海に出発しました。この偉業を記念して、町のエスク川西側にはクック船長の彫刻が建てられています。

歴史と文化

ウィットビーの町名は、古ノルド語で「Hvítiの村」を意味する地名に由来します。デーン人の多くが定住した地域であることを示しています。中世には、重要な港町として栄え、木造船の建造や鯨油採取の基地としての役割も担っていました。18世紀には温泉場としても人気を集め、1839年には鉄道が開通、海浜リゾートとして発展を遂げました。

文学との関わり

ウィットビーは、文学作品にも度々登場するロマンチックな町です。特に有名なのは、ブラム・ストーカーの小説『吸血鬼ドラキュラ』との関連です。ストーカーは1897年、ウィットビーに住みながらこの小説を執筆しました。また、A・S・バイアットの小説「抱擁」では、19世紀の詩人の男女がウィットビーを訪れ、ウィットビー名産のジェット・ブローチが重要な役割を果たします。

観光名所

ウィットビーには魅力的な観光スポットが数多く点在しています。

ウィットビー修道院: 657年に聖ヒルダによって設立された歴史ある修道院の跡地。北海を見下ろす高台に位置し、13世紀から15世紀にかけて建造された壮大な廃墟は、イングリッシュ・ヘリテッジによって保護されています。
聖メアリー教会: 12世紀初頭の建立と伝えられ、古めかしい石の墓標が並ぶ墓地は、ストーカーに『ドラキュラ』のインスピレーションを与えたと言われています。
ウィットビー・ゴス・ウィークエンド: 年2回開催される、ゴスとスチームパンクをテーマにした大規模なイベント。多くのファンが集まります。
クリーブランド・ウェイ: ウィットビー周辺の断崖を巡る長距離遊歩道。美しい海岸線のパノラマを楽しむことができます。
ノース・ヨークシャー・ムーアズ鉄道: 保存鉄道として運行され、映画『ハリー・ポッター』シリーズの撮影にも使用されました。
フィッシュ・アンド・チップス: ウィットビーは、数々の賞を受賞したフィッシュ・アンド・チップス店があることでも有名です。

スポーツ

ウィットビー・タウンFCは、1880年創立のサッカークラブ。シーサイダズという愛称で親しまれています。

人口

2011年の国勢調査では人口は13,213人。2001年と比較すると減少傾向にあります。

姉妹都市

ウィットビーは、世界各地の多くの都市と姉妹都市協定を締結しています。アメリカ合衆国（アンカレッジ、カウアイ郡）、ニュージーランド（ポリルア市）、ドイツ（オステローデ・アム・ハルツ）、カナダ（ウィットビー）、フォークランド諸島（スタンリー）、トンガ（ヌクアロファ）などです。

まとめ

歴史、文化、自然、そしてゴシック文化が融合したウィットビーは、訪れる人々を魅了する多くの魅力を秘めた町です。一度訪れて、その独特の雰囲気を体感してみてください。

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