ウィリアムズ・FW27

ウィリアムズFW27

ウィリアムズFW27は、2005年のフォーミュラ1世界選手権に投入されたウィリアムズチームのF1カーで、サム・マイケルとロイック・ビゴワによって設計されました。このマシンは、開幕戦から最終戦まで継続して実戦走行を行いました。

デザインと技術

FW27は、ウィリアムズのテクニカルディレクターであったパトリック・ヘッドが辞任した後、サム・マイケルがWF27の開発を指揮しました。エアロダイナミクスの面では、前モデルであるFW26の後期型を基盤にしつつ、フロントノーズはより高く、薄く設計されています。また、サイドポンツーンは小型化が進み、他のマシンと比較しても非常にコンパクトな形状をしています。その一方で、排熱の管理が難しくなったため、大きめのチムニーダクトが導入され、その後方にはウイングレットが装着されています。

リヤサスペンションはFW26を踏襲していますが、フロントサスペンションにはシングルキール方式が採用されており、従来のツインキールからの変更が見られます。

エンジンと性能

BMWは当初2005年用エンジンP85の開発に取り組みましたが、新しい「2グランプリ1エンジン」規則に対処できないことが判明しました。そのため、FW26で使用されたP84を基に、耐久性を備えたP84/5が開発されました。このエンジンは、開幕戦から数多くの新しいパーツと共に投入され、シーズン中に何度も改良が施されました。たとえば、第2戦ではバージボードが追加され、第3戦には新型エンジンカウルが搭載されました。

シーズンは、各戦で新型のフロントウイングなどの改良が行われ、最終戦ではルノー R25で実戦投入された2段式フロントウイングも使用されました。

2005年シーズンの結果

ドライバーラインアップは大きく変わり、マーク・ウェバーとニック・ハイドフェルドを迎え入れました。ハイドフェルドは第2戦で3位に入り、第6戦モナコGPでは2-3フィニッシュを果たします。また第7戦では初めてポールポジションを獲得するなど、いくつかの好成績を残しました。しかし、その後は表彰台に上がる回数が少なくなり、結果的にコンストラクターズランキングは5位に落ち込んでしまいました。

また、ハイドフェルドはイタリアGPとベルギーGPを欠場し、最終的には負傷によりシーズンの残りを欠場する羽目になりました。この時期にはテストドライバーのアントニオ・ピッツォニアが代役を務めることになりました。

シーズン途中、BMWはザウバーを買収し、2006年からBMWザウバーとして参戦することを決定したため、FW27の開発も停滞してしまいました。

スペック

• - シャーシ名: FW27
• - エンジン名: BMW P84/5
• - 気筒数・角度: V型10気筒・90度
• - 排気量: 2,998cc

開幕時にはFW27を改良したFW27Cが開発され、新たにコスワースのCA2006エンジンを搭載する計画が立てられました。これにより、FW27は新しいエンジンとギアボックスをテストするための重要な役割を果たしました。さらに、カラーリングも1969年の初参戦時のデザインが反映されたものに変更されています。

このように、ウィリアムズFW27はそのデザインや技術、シーズン中の進化によって注目されるマシンの一つとなったのです。

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