ウィリアムズ・FW36

ウィリアムズ・FW36

ウィリアムズ・FW36は、2014年にF1世界選手権に挑むためにウィリアムズが設計したフォーミュラ1カーです。この車両は、1月23日にイメージ図が公開され、その後、マルティーニ・エ・ロッシとのスポンサー契約を結びました。これにより、白を基調とした青赤ストライプのマルティーニカラーを纏ってシーズンに臨むこととなりました。

シャーシの特徴

FW36のシャーシは、カーボンファイバーとハニカムコンポジットの構造で製造され、軽量かつ強固なものとなっています。ブレーキにはAPレーシング製のキャリパーを採用しており、ディスクとパッドも同ブランドのものを使って、優れた冷却性能を実現したベンチレーテッド式カーボンファイバーブレーキが取り付けられています。また、サスペンションは前後独立懸架を採用しており、前輪にはプッシュロッド式、後輪にはプルロッド式のトーションスプリングが使用されています。

ギアボックスはウィリアムズ製で、縦置きのセミオートマチック・シーケンシャルタイプであり、8速と1速のリバースを搭載しています。ホイールはRAYS製の鍛造マグネシウムで、軽量かつ強度の高い設計が特徴です。FW36の重量は691kgで、冷却水や潤滑油、そしてドライバーを含む総合的な重さです。タイヤはピレリのP-Zeroを使用し、全長は5,000mm、全高は950mm、全幅は1,800mmです。

エンジン性能

FW36に搭載されているエンジンは、メルセデス製のPU106A Hybridです。このエンジンはV型6気筒で90度の角度を持ち、排気量は1,600ccという仕様になっています。最高回転数は、レギュレーションにより15,000rpmに制限されています。シリンダーブロックは砂型鋳造のアルミニウムから構成され、一つのターボを装備しており、バルブ数は24、圧搾空気式のバルブ駆動システムを採用しています。

また、FW36のERSシステムはメルセデスAMG F1 HPPによって供給されており、バッテリー出力は1周あたり4MJ、MGU-Kは120kWの出力を有し、最高回転数は50,000rpmに達します。一方、MGU-Hは最高125,000rpmという高回転数にも対応しています。

結果と記録

FW36は、そのデザインと性能から多くの注目を集め、シーズン中の記録においても多くの期待を寄せられました。特に、ポールポジションを獲得したレースやファステストラップを記録したレースは、チームにとって重要な成果となりました。リタイアしたレースでも、90%以上の距離を走行した場合は完走扱いとなるため、その点でもFW36は高い性能を示しています。

このように、ウィリアムズ・FW36は2014年のF1シーズンにおいて、デザイン、性能、技術面での革新を追求した注目すべきマシンであり、ファンや関係者たちに強い印象を与えました。

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