ウィリアム・ウィンダム (第3代準男爵)

サー・ウィリアム・ウィンダム：激動の時代を生きた政治家

サー・ウィリアム・ウィンダム（1688年頃 - 1740年）は、18世紀初頭のイギリスにおいて、トーリー党の政治家、そしてジャコバイトの指導者として重要な役割を果たしました。アン女王の治世下では戦時大臣、財務大臣を歴任し、その後はハノーヴァー朝の成立に抵抗し、野党指導者として政府を批判しました。

生涯

ウィンダムは、第2代準男爵サー・エドワード・ウィンダムとキャサリン・ルーソン＝ゴアの息子として生まれました。幼くして準男爵位を継承し、イートン・カレッジ、オックスフォード大学で教育を受けました。グランドツアーではヨーロッパ各地を旅し、見聞を広めました。ローマでは占い師から「白い馬に気をつけろ」という警告を受けますが、これは後にハノーヴァー朝の紋章を指していることに気づきます。

アン女王の治世

1710年に庶民院議員に当選し、政界入りを果たします。トーリー党内閣で要職を歴任しますが、アン女王の死後、ジャコバイトの陰謀に関与したとして罷免され、投獄されます。

ジャコバイトの指導者として

ジョージ1世の即位後、ウィンダムはジャコバイトの指導者として活動します。1715年にはジョージ1世を打倒するための反乱を計画しますが、事前に露見し、逮捕されることになります。一時は逃亡に成功しますが、最終的には義理の兄弟であるハートフォード伯爵に投降し、ロンドン塔に投獄されました。

政治活動の再開

釈放後、ウィンダムは庶民院に戻り、野党であるトーリー党の指導者として活動を再開します。首相ロバート・ウォルポールに対抗し、トーリー党の原則を守るために尽力しました。亡命中のボリングブルック子爵とも連絡を取り続け、ウォルポール失脚を画策しますが、成功には至りませんでした。

その他の活動

ウィンダムは、ウォッチェット港の建設にも貢献しました。また、捨子養育院の創立時の総裁の一人でもありました。

死去

1740年、狩猟中の落馬事故により死去しました。

家族

ウィンダムは2度結婚し、子供をもうけました。最初の妻キャサリン・シーモアとの間には、第2代エグレモント伯爵となったチャールズ・ウィンダム、トモンド伯爵に叙爵されたパーシー・ウィンダム＝オブライエン、そして首相ジョージ・グレンヴィルの妻となったエリザベス・ウィンダムがいます。

評価

ウィンダムは、激動の時代において、信念を貫き、政治的な影響力を行使した人物として評価されています。ジャコバイトとしての活動は賛否両論ありますが、その政治手腕とリーダーシップは高く評価されています。

エピソード

白い馬の予言: ローマで受けた「白い馬に気をつけろ」という予言は、ハノーヴァー朝の紋章を指していたというエピソードは有名です。
ガムダム: 議会議事録に「ガムダム」という偽名で登場し、その弁論の内容はガリヴァー旅行記に例えられました。

サー・ウィリアム・ウィンダムは、複雑な時代背景の中で、自らの信念を貫き、歴史に名を刻んだ政治家でした。

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