ウィリアム・キャヴェンディッシュ＝スコット＝ベンティンク (第4代ポートランド公爵)

第4代ポートランド公爵ウィリアム・ヘンリー・キャヴェンディッシュ＝スコット＝ベンティンク：輝かしい経歴と一族

1768年6月24日、英国で生まれたウィリアム・ヘンリー・キャヴェンディッシュ＝スコット＝ベンティンクは、その生い立ちからして特筆に値する。父は後の首相となる第3代ポートランド公爵ウィリアム・ベンティンク、母は第4代デヴォンシャー公爵ウィリアム・キャヴェンディッシュの娘ドロシーである。母方の祖父もまた首相の経験者という、まさに名門の血筋を引く人物だった。弟には後のインド総督ウィリアム・ベンティンク卿もいる。

彼は名門校ウェストミンスター・スクールを経て、オックスフォード大学クライスト・チャーチに入学。1793年には民法学博士号を取得するなど、学業にも励んだ。政治家としてのキャリアは早くから始まり、1790年から庶民院議員として活躍。ハンプシャー州、バッキンガムシャー州選挙区から選出され、1807年には父の下で、大蔵卿委員を務めた。

1809年、父の死によりポートランド公爵位を継承。これにより貴族院議員となる。その後もその政治家としての才能は遺憾なく発揮され、1827年、ジョージ・カニングが組織した内閣で王璽尚書に就任、枢密顧問官にも列せられた。同年には、初代ゴドリッチ子爵フレデリック・ジョン・ロビンソンの内閣で枢密院議長に就任。ゴドリッチ内閣の総辞職までその職務を務めた。

政治活動と並行して、1794年から1841年までミドルセックス州の州知事を務めるなど、公職にも尽力した。

私生活では、1795年にジョン・スコットの娘ヘンリエッタと結婚。この際、妻の姓である「スコット」を自身の姓に付け加えた。夫妻の間には、四男五女をもうけた。その子供たちはそれぞれ重要な地位や役割を果たし、例えば、息子のウィリアム・ジョン卿は後に第5代ポートランド公爵となった。娘たちも、貴族や高官と結婚し、その子孫は英国社会に大きな影響を与えた。

長年にわたり英国政界の中枢で活躍したウィリアム・ヘンリー・キャヴェンディッシュ＝スコット＝ベンティンク。その輝かしい経歴と、名家・ベンティンク家に連なる一族の歴史は、英国史において重要な一章を刻んでいる。彼の功績は、単なる政治家としての活動にとどまらず、名門貴族としての責任を果たし、一族繁栄に貢献したことにある。また、彼は学識にも優れ、王立協会フェロー、ロンドン考古協会フェローにも選ばれている事実は、彼の多才ぶりを示すものと言えるだろう。

彼の生涯は、英国貴族社会の繁栄と、政治的変動の時代を生き抜いた一人の貴族の生き様を物語っている。高貴な出生、華麗な経歴、そして多大な影響力を持つ一族。第4代ポートランド公爵ウィリアム・ヘンリー・キャヴェンディッシュ＝スコット＝ベンティンクは、英国史に燦然と輝く存在として、これからも記憶され続けるだろう。

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