ウィリー・ウィリアムス (格闘家)

ウィリー・ウィリアムスの伝説

ウィリー・ウィリアムス（1951年4月14日 - 2019年6月7日）は、アメリカのノースカロライナ州出身で、特に空手界で名を馳せた格闘家です。彼は身長201cm、体重130kgという巨体を活かし、極真会館出身の空手家として特に有名でした。ウィリアムスはその格闘技のスタイルから「熊殺し」という異名を持っています。

極真会館時代の足跡

ウィリーは極真会館コネチカット支部に入門し、大山茂の指導を受けました。彼のキャリアは1975年11月に開催された第1回オープントーナメント全世界空手道選手権大会への出場から始まります。この大会では3回戦で敗退しましたが、彼の実力が評価されるきっかけとなりました。特に、映画『地上最強のカラテPART2』では、大きなグリズリーと戦う姿が描かれ、これが「熊殺し」の異名の由来となったのです。

1979年の第2回全世界選手権では、準決勝で反則負けとなったものの、著しい成績を収めることができりました。特に、杉板による試割りでは、当時の記録を超える26枚を割り、彼の実力を証明しました。ただし、プロレス界のアントニオ猪木との対戦を試みるも、規則により門下生の他流試合が禁止され、彼は破門されることになりました。

1980年、ウィリーは蔵前国技館で行われた格闘技世界一決定戦に出場し、プロレスの面々と対戦しました。この試合は両者の意地が絡み、引き分けに終わりました。その後、ウィリーは復帰し、1984年の第3回全世界選手権に参加しましたが、再び敗北を喫しました。その後、USA大山空手に移籍し、空手界を離れ、バスの運転手として生計を立てることにしました。

復活と引退後の活動

ウィリーはバスの運転手が本業の傍ら、試合のオファーがあれば再びリングに立つことがありました。1991年6月には正道会館の団体戦に参加し、大将戦で佐竹雅昭と対戦しましたが、判定負けを喫しました。その後、1992年にはリングスに初参戦し、ピーター・スミットに勝利を収めました。しかし、同年には前田日明との試合で敗北を経験することになります。

1997年にはアントニオ猪木との再戦を果たしましたが、特異なルールで行われた戦いで再び敗北。それからも彼は格闘家として活動し続けました。1999年、引退した後は木彫り職人としての新たな道を歩みながら、後進の指導にも力を注ぎました。ウィリーは、2019年6月7日に心臓病により67歳でこの世を去りました。

エピソード

ウィリーの生涯には多くのエピソードがあります。特に『地上最強のカラテPART2』での熊との戦いは印象的で、彼自身も「あの時は本当に怖かった」と語っています。また、漫画『四角いジャングル』では、黒崎健時に命じられたエピソードが紹介されており、自動車を破壊したという話がありますが、ウィリー自身はその真偽について否定しており、創作であることを認めています。

大山茂の厳しい指導を振り返り、「最も怖いことは先生の稽古だった」と語るウィリーは、格闘の厳しさを身をもって知る存在でした。彼の人生は、数々の試練と活躍に彩られた、特異な格闘家としての道のりでした。

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