ウィルバー・ウッド

ウィルバー・フォレスター・ウッドは、1941年10月22日にマサチューセッツ州ケンブリッジで生まれた元プロ野球選手です。ニックネームは「Wilbah」。投手として活躍しました。

キャリア初期

1960年にボストン・レッドソックスと契約し、1961年6月30日にメジャーデビューを果たしました。1963年にはAAA級で5勝2敗、防御率1.12という好成績を残し、メジャーに昇格しましたが、初めは先発として起用されたものの、勝利を挙げることはできませんでした。その後はリリーフとしての起用が中心となります。1964年にはAAA級で15勝8敗、防御率2.30、197奪三振という素晴らしい成績を収めたものの、メジャーでは結果を残せず、ピッツバーグ・パイレーツへ移籍しました。10月2日の試合でメジャー初完投を記録しましたが、延長戦でサヨナラ負けを喫するという悔しい結果となりました。1965年は敗戦処理として34試合に登板しましたが、1966年はAAA級で14勝8敗、防御率2.41、8完封という好成績を記録するもメジャーでの登板機会はなく、シカゴ・ホワイトソックスへ移籍しました。

シカゴ・ホワイトソックス時代

自身の投球スタイルに限界を感じ始めていたウッドは、1967年のスプリングトレーニングでチームメイトのホイト・ウィルヘルムからナックルボールを習得します。このナックルボールが彼のキャリアを大きく変えることになります。同年はリリーフとしてメジャーに定着し、7月16日の試合でメジャー初勝利を挙げました。この年は51試合に登板し、4勝2敗、防御率2.45を記録しました。1968年には、当時のメジャー記録となる88試合に登板し、13勝12敗、防御率1.87という好成績を残します。1969年と1970年にはリーグ最多の登板試合数を記録し、リリーフとして確固たる地位を築きました。

1971年からは先発に転向し、5月22日の試合でメジャー初完封を達成。前半戦で9勝5敗、防御率1.69を記録し、オールスターゲームにも初選出されました。後半戦でも好調を維持し、最終的に22勝13敗、防御率1.91、210奪三振という素晴らしい成績を収めました。中2日での先発を15試合もこなすという驚異的なタフさを見せました。サイ・ヤング賞の投票では3位に入りました。1972年には初の開幕投手を務め、4月18日から3試合連続完封勝利を達成しました。前半戦で15勝を挙げ、2年連続でオールスターゲームに選出されました。8月12日の試合では、9回2アウトまでノーヒットに抑え、完封目前でホームランを浴びて同点に追いつかれるというアクシデントに見舞われましたが、延長11回を2安打1失点で完投勝利しました。9月には5連敗を喫しましたが、最終的に24勝17敗、防御率2.51、8完封、そしてリーグ最多の376.2イニング、49先発、325被安打を記録し、ゲイロード・ペリーと並んで最多勝利のタイトルを獲得しました。特にイニング数は、ライブボール時代以降の最多記録となっています。中2日での先発は25試合にも及びました。サイ・ヤング賞の投票では、ペリーに僅差で及ばず2位となりました。

1973年は4月25日から3試合連続完封勝利を挙げるなど、序盤は好調で5月までに13勝を挙げましたが、6月に6連敗を喫してしまいます。7月20日のダブルヘッダーでは両試合に先発し、どちらも敗戦投手となりました。後半戦は6勝、防御率4.51と調子を落としますが、最終的には24勝20敗、そしてリーグ最多の359.1イニング、48先発、381被安打、138自責点の成績で2年連続となる最多勝利を獲得しました。1シーズンで20勝と20敗を同時に記録したのは、1916年のウォルター・ジョンソン以来の快挙でした。1974年は3年連続となる20勝を記録しましたが、19敗も喫しました。1975年は16勝を挙げたものの、リーグワーストの20敗を喫してしまいます。1976年は開幕から好調を維持していましたが、5月9日の試合で打球が左膝を直撃し膝蓋骨を骨折してしまい、そのままシーズンを終えることになります。1977年は7勝、1978年は10勝を挙げましたが、防御率5.20と振るわず、同年限りで現役を引退しました。

詳細情報

通算成績：372試合、164勝156敗、防御率3.24、1237奪三振。

タイトル

最多勝利：2回 (1972年、1973年)

記録

オールスターゲーム選出：3回 (1971年、1972年、1974年)

背番号

28 (1961年、1967年 - 1978年)
41 (1962年)
19 (1963年 - 1964年途中)
16 (1964年途中 - 同年)
* 35 (1965年)

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