ウインズ後楽園

ウインズ後楽園は、東京都文京区後楽に位置する日本中央競馬会（JRA）が運営する場外勝馬投票券発売所（WINS）です。

沿革

ウインズ後楽園は、国営競馬の時代であった1949年（昭和24年）4月16日にその歴史を開始しました。開設当初は20の窓口を備え、現在の場所よりもやや北側に施設が位置していました。その後、1973年に現在の象徴的な「黄色いビル」へと移転。当初は一部フロアのみでの発売でしたが、1975年には別館が完成し、施設はさらに拡張されました。現在では、A館の1階から4階、B館の2階から9階までが場外馬券売場として利用されています。

規模と特徴

ウインズ後楽園は、その規模において日本有数を誇ります。売上額、施設の広さ、そして年間や一日の入場者数において、国内の他のウインズと比べても最大級であり、「日本一」と称されることもあります。また、施設内にはJRAの発売所だけでなく、A館の6階と7階には大井競馬の場外馬券売場である「offt後楽園」も併設されています。

利用者と将来展望

ウインズ後楽園の利用者は時代と共に変化しています。過去には、1995年の第40回有馬記念当日には319,381人という記録的な入場者数を記録しました。しかし、近年ではインターネット投票の普及などもあり、2018年時点での1日平均利用者数は約26,000人となっています。利用者の年齢層にも特徴があり、60歳以上の方が全体の6割以上を占めるなど、比較的高い年齢層の利用者が多い傾向にあります。また、この時点での現金による投票は全体の約3割でした。

今後は、単なる馬券発売所としてだけでなく、競馬の魅力を発信する「アンテナショップ」としての機能強化を目指しています。インターネット投票では体験できない、リアルな場だからこそ提供できるサービスやイベントなどを企画・検討しており、新しい競馬ファン層の獲得や既存ファンへの新たな価値提供を目指しています。

交通アクセス

ウインズ後楽園は、都心部に位置し、複数の鉄道路線からのアクセスが非常に便利です。

JR水道橋駅より徒歩約1分
都営地下鉄三田線・水道橋駅より徒歩約3分
東京メトロ丸ノ内線・南北線後楽園駅より徒歩約4分
都営地下鉄大江戸線・春日駅より徒歩約6分

発売・払戻時間

開催日
発売時間: 原則として9時20分から最終レースまで。前日発売は原則17時まで。金曜日の特定のレース発売時は16時から19時までとなります。
払戻時間: 原則として9時20分から営業終了まで。

非開催日
払戻時間: 月曜日および火曜日の10時から16時まで（祝日を除く）。
休務日: 水曜日、木曜日、金曜日、土曜日、日曜日、祝日、年末年始は払戻業務を行いません。

馬券の購入

ウインズ後楽園では、全てのレースにおいて、100円から100円単位での馬券購入が可能です。ただし、施設内の各階やエリアによっては、発売される単位が異なる場合があるため注意が必要です。

エクセルフロア

2006年9月9日には、より快適に競馬観戦や投票を行うための有料指定席エリア「エクセルフロア」がB館の8階と9階に新設されました。8階は「スタンダードタイプ」、9階は「ハイグレードタイプ」として設定されており、それぞれ利用料金や提供されるサービス、設備が異なります。

エクセルフロアを利用するには、まずB館2階の葵口出入り口付近で朝7時30分から配布される整理券を受け取る必要があります。整理券は先着順です。その後、8時30分からA館2階にある利用券発売所にて利用券を購入します。指定席は全席先着順での販売となります。利用時間は、その日の最終レース発走時刻の20分後までです。エクセルフロアは全席禁煙ですが、煙が外部に漏れない設計の喫煙ルームが完備されています。

8階エクセルフロア（スタンダードタイプ）

座席数: 309席（車椅子用スペース2席を含む）
指定席料金: 1,500円
設備: 各席に13インチモニターが設置されており、個別にレース映像やオッズを確認できます。また、モバイル機器やノートパソコンを充電できるコンセントも各席に整備されています。
窓口/機器: 発売払戻兼用機12台、UMACA（JRAの電子マネー）の入出金機2台、UMACA投票機6台、および受付窓口1箇所が設置されています。

9階エクセルフロア（ハイグレードタイプ）

座席数: 60席
指定席料金: 5,000円
設備: 革張りのリクライニングシートが設置されており、ゆったりと過ごせます。各席にはモニターも完備。インターネット接続も可能です。
食事・ドリンク: ビュッフェ形式での食事が提供されます（ランチタイムは11時～13時30分、軽食は終日利用可）。ソフトドリンクは無料で飲み放題です（アルコール類は有料）。
* 窓口: 発売払戻兼用機が3台、有人発売窓口が2箇所設置されています。

9階エクセルフロアの利用料金5,000円は、場外馬券売場のエクセル系有料席としては国内で最も高額とされています。東京優駿（日本ダービー）や有馬記念などの特に注目される大レース開催日には、利用希望者が多数見込まれるため、抽選での利用となる場合があります。

その他の施設・サービス

ウインズ後楽園では、JRAのレースだけでなく、一部のダートグレード競走や年末開催時などに限り、B館6階（過去にはA館1階でも販売）で大井競馬の馬券を臨時に販売することがあります。

施設内には、利用者の利便性を図るためATMが設置されています。りそな銀行のATMは第1出張所が設置されており、競馬開催日ではない日でも利用が可能です（第2出張所は施設内にあるため開催日のみ利用可）。また、ウインズが入居する黄色いビル内には、東京ドームシティ郵便局やみずほ銀行のATMも入っており、金融サービスへのアクセスも容易です。

A館2階には無料の無線LANコーナーが設けられており、公衆無線LANサービスを利用して自由にインターネットに接続できます。さらに、無料で利用できるパソコンも10台設置されており、来場者はインターネットによる情報収集などを行うことができます。

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