ウェイラーズ

ウェイラーズ (The Wailers) の軌跡：レゲエの先駆者

ウェイラーズは、1963年にジャマイカで結成されたボーカルグループであり、後にバンドとして発展しました。ボブ・マーリー、ピーター・トッシュ、バニー・ウェイラーという中心メンバーを中心に、レゲエ音楽の基礎を築き、世界的な音楽シーンに多大な影響を与えました。

結成と初期

1961年、キングストン市のトレンチタウンで出会ったボブ・マーリー、ピーター・トッシュ、バニー・ウェイラーは、ジョー・ヒッグスの紹介でビヴァリー・ケルソー、チェリー・スミス、ジュニア・ブレスウェイトと出会い、ウェイラーズの前身となるティーネイジャーズ (The Teenagers) を結成しました。その後、ウェイリング・ルードボーイズ (The Wailing Rudeboys)、ウェイリング・ウェイラーズ (The Wailing Wailers) とグループ名を変更し、最終的にウェイラーズに落ち着きました。

1963年、コクソン・ドッドのスタジオ・ワンで、ブレスウェイトがリードボーカルを務めた「It hurts to be alone」などを録音しました。しかし、ブレスウェイトが家庭の事情でアメリカ合衆国シカゴに引っ越したため、ドッドの薦めによりマーリーがリードボーカルを務めるようになりました。マーリーがリードボーカルを務めた「Simmer Down」は、1964年初頭にヒットチャート1位を獲得しました。

トリオ編成とリー・ペリーとの出会い

1966年にはケルソーとスミスが脱退し、マーリー、トッシュ、ウェイラーによるトリオ編成となりました。ドッドの元で活動していたこの時期のウェイラーズは、スタジオ・ワンに「ワン・ラヴ」、「Put it on」などをはじめ100曲以上を残しました。

1967年にはドッドとの関係を解消し、リー・ペリーの元を訪ねました。ペリーのプロデュースにより、「ダピー・カンカラー」や「スモール・アクス」、「400 Years」、「Soul Rebel」などを新しいリズム「レゲエ」に乗せて録音しました。この時期、ウェイラーズは他にもクランシー・エクルズのプロデュースによる「Nice time」などを発表しました。

1970年代初頭には、ペリーのスタジオバンドであったアップセッターズのアストン・バレットとカールトン・バレットがウェイラーズ・バンド (the Wailers Band) としてウェイラーズに加わりました。

メジャーデビューと解散

1972年、クリス・ブラックウェル率いるアイランド・レコードと契約し、アルバム『キャッチ・ア・ファイア』でメジャーデビューを果たしました。しかし、ブラックウェルはウェイラーズをグループとしてではなく、ボブ・マーリーを前面に押し出し、売り込んでいきました。これに反発したトッシュとウェイラーは、アルバム『バーニン』を最後にウェイラーズを脱退し、1975年1月には正式にウェイラーズの解散が発表されました。

その後、マーリーを中心としたバンドは新たなメンバーを加え、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズとしてマーリーの死まで活動を続けました。その一方で、トッシュとウェイラーもソロキャリアを積み重ねていきました。

メンバーの現在

2010年現在、ウェイラーズの元メンバーの多くは既に亡くなっており、存命人物はバニー・ウェイラーとビヴァリー・ケルソーのみとなっています。

ウェイラーズは、レゲエ音楽の発展に大きく貢献し、数多くのミュージシャンに影響を与えました。彼らの音楽は、今もなお世界中の人々に愛され続けています。

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