ウェルネス伯養軒

株式会社ウェルネス伯養軒は、宮城県仙台市青葉区に本社を構え、仕出し料理店を経営する企業です。その事業は、駅弁の製造・販売にも及び、郡山駅、福島駅、仙台駅、北上駅、盛岡駅、野辺地駅、青森駅といった東北地方の主要駅で、地域色豊かな駅弁を提供しています。

沿革

そのルーツは、1850年（嘉永3年）に仙台藩領で創業した大泉屋旅館に遡ります。1887年（明治20年）には仙台駅前に大泉支店（後の仙台ホテル）を設置し、1890年（明治23年）には大泉屋弁当部を設立、仙台駅構内での営業を開始しました。1892年（明治25年）には青森駅連絡船待合室食堂の営業も開始し、事業を拡大。1903年（明治36年）には列車食堂部門を開設し、上野〜青森間急行列車の食堂車営業を手がけるようになりました。

1938年（昭和13年）には列車食堂部門を日本食堂（後の日本レストランエンタプライズ）に譲渡しますが、1942年（昭和17年）に有限会社伯養軒を設立し、仕出し料理店としての歴史を歩み始めます。戦後には、郡山、弘前、若松、一関、盛岡、北上、野辺地、白河に営業所を設置し、東北地方全域に事業を拡大しました。1952年（昭和27年）には株式会社化を果たし、その後も、八戸、山形、秋田、福島に支店を設置するなど、事業規模を拡大していきました。

1972年（昭和47年）には本社を仙台市若林区新寺に移転し、1986年（昭和61年）には仙台支店首都圏営業所を設置。1989年（平成元年）には太白区役所食堂、宮城県庁職員食堂の受託営業を開始しました。1994年（平成6年）には不動産賃貸業を行う「伯養エンタープライズ株式会社」を設立。1990年代後半には、各支店を統括する体制を整備し、青森、岩手・秋田、福島に支社を設けました。

1998年（平成10年）には仙台駅のそば処の営業を受託し、1999年（平成11年）には販売部門を日本レストランエンタプライズとの合弁会社に譲渡しました。2000年（平成12年）には仙台工場を名取市に移転。2002年（平成14年）には、（旧）株式会社伯養軒と伯養エンタープライズ株式会社が合併し、（新）株式会社伯養軒が設立されました。しかし、2005年（平成17年）には130億円に上る債務を抱え、事業譲渡を決断。ホテル事業は別会社へ、フードサービス事業はグリーンハウスが100%出資する「株式会社ウェルネス伯養軒」へ業務譲渡されました。

事業所と駅弁

ウェルネス伯養軒は、以下の駅で駅弁を製造・販売しています。

郡山支店：郡山駅
牛肉の味噌漬焼弁当
ソースかつ弁
地鶏ゆず味噌焼き弁当
福島味づくし

会津若松駅：かつては地元仕出し業者が担当していましたが、現在は郡山支店が担当しています。
会津のおばあちゃん

仙台支店（名取市）：仙台駅
阿武隈川鮭はらこめし
前沢牛めし
三陸うにめし
帆立釜めし
とりめし
牛たんづつみ
仙台味づくし

盛岡支店：盛岡駅
三陸うにめし
鶏舞茸はやちねの里
南部鮭弁当

北上駅


かつては若松、秋田、八戸、白河、弘前、青森、野辺地にも事業所がありましたが、現在は郡山支店が一部駅弁を実質的に復活させています。

その他の事業

駅弁事業の他に、空港事業部やJR東日本秋田総合車両センター社員食堂、仙台大学食堂の運営も行っています。かつてはファミリーレストラン「ミルキーウェイ」も運営していましたが、こちらはビッグボーイ・ジャパンに譲渡しました。

株式会社ウェルネス伯養軒は、旧伯養軒から受け継いだ歴史と伝統を大切にしながら、地域に根ざした食文化を提供し続けています。

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