ウォロディミル・ゼレンスキーのヨーロッパ訪問

ゼレンスキー大統領のヨーロッパ訪問：2023年5月

2023年5月、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ヨーロッパ諸国を訪問し、各国の首脳との会談や国際刑事裁判所訪問などを精力的に行いました。この訪問は、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、国際社会からの支持と連帯を強化する重要な外交活動となりました。

訪問の背景

2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻以降、ゼレンスキー大統領は国際的な支援を求めるため、アメリカやイギリスなど、いくつかの国を訪問しています。今回のヨーロッパ訪問も、その一環として行われました。

5月3日～5日の訪問

この期間、ゼレンスキー大統領はフィンランドとオランダを訪問しました。

フィンランド

5月3日、ゼレンスキー大統領は、まずポーランドのジェシュフ＝ヤションカ空港からオランダ政府専用機に搭乗し、フィンランドのヘルシンキ・ヴァンター国際空港に到着しました。ヘルシンキでは、フィンランドのサウリ・ニーニスト大統領をはじめ、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランドの各首相と会談し、ウクライナへの支援について協議しました。

オランダ（国際刑事裁判所）

5月4日、ゼレンスキー大統領はオランダのデン・ハーグにある国際刑事裁判所を訪問しました。ピョートル・ホフマンスキ所長と会談し、ロシアの「侵略犯罪」を裁くための特別法廷設置を訴えました。国際刑事裁判所は、3月17日にロシアのウラジーミル・プーチン大統領と、子どもの権利担当大統領全権代表のマリア・リヴォワ＝ベロワに対する逮捕状を発行しています。同日夕方、ゼレンスキー大統領はオランダを出発し、ポーランドへ戻りました。

5月13日～15日の訪問

この期間、ゼレンスキー大統領はイタリア、バチカン、ドイツ、フランス、イギリスを訪問しました。

イタリア

ゼレンスキー大統領は、ポーランドのジェシュフ＝ヤションカ空港からイタリア空軍の要人輸送機に搭乗し、ローマ・チャンピーノ空港に到着しました。イタリア国内では、空軍戦闘機による護衛を受けていました。

バチカン

バチカンでは、ローマ教皇フランシスコとの会談が行われました。

ドイツ

ゼレンスキー大統領は、ローマからドイツ政府専用機に乗り換え、ドイツ空軍の戦闘機による護衛を受けながら、ベルリン・ブランデンブルク国際空港に到着しました。

フランス

ドイツからフランスへは、フランス政府専用機で移動し、パリ近郊のヴィラクブレー空軍基地に到着しました。

イギリス

イギリスには、イギリス空軍のC-17輸送機で到着後、CH-47ヘリコプターに乗り換え、首相の静養先であるチェッカーズに到着しました。イギリスでは、リシ・スナク首相との会談が行われました。

各国首脳との会談と支援要請

このヨーロッパ訪問を通じて、ゼレンスキー大統領は各国首脳と会談し、ウクライナへの軍事支援や経済支援の継続を求めました。また、ロシアによる侵略行為を非難し、国際的な制裁の強化を訴えました。

この訪問は、ウクライナが国際社会からの支持を必要としていることを改めて示すとともに、ヨーロッパ各国との連携を深める上で重要な意味を持ちました。

その他の関連事項

ゼレンスキー大統領のヨーロッパ訪問は、ジョー・バイデン大統領のウクライナ訪問や岸田文雄首相のウクライナ訪問など、他の国際的な要人のウクライナ訪問とともに、ウクライナへの国際的な関心の高さを象徴しています。

この訪問を通じて、ゼレンスキー大統領は国際社会の支援を強く訴え、ウクライナの現状を世界に広く知らしめました。

もう一度検索