ウォータールー&シティー線

ロンドン地下鉄ウォータールー＆シティー線：テムズ川を貫く短い旅

ロンドン地下鉄ウォータールー＆シティー線は、ロンドン中心部のウォータールー駅と金融街のバンク駅を結ぶ、全長わずか2.5kmの路線です。路線図では濃い緑色で表示されており、地表から深く地下を走る、独特の地下鉄路線として知られています。

この路線の最大の特徴は、その短い距離と速達性です。ウォータールー駅とバンク駅間の所要時間は片道わずか4分。テムズ川の下をトンネルで貫通しており、通勤時間帯の乗客にとって、非常に効率的な移動手段となっています。

しかし、この路線は通勤客向けの路線であるため、利用客の数は他の路線に比べて少なく、時間帯によっては運行本数が制限されています。夕方の時間帯や日曜日、そして2021年以降は祝日には運休となるなど、運行形態は他の路線とは異なります。過去には、1943年から1947年にかけては休日や深夜にも運行されていた時期もありましたが、その後は平日昼間を中心に運行されています。

歴史と近代化

ウォータールー＆シティー線は1898年7月11日に開業。ロンドンの電動地下鉄としてはノーザン線に次ぐ2番目の路線であり、ロンドン交通網の歴史において重要な役割を果たしてきました。

2006年には大規模な改修工事が行われました。この工事は、車両の塗り替えや清掃、プラットホームやトンネルの改修、駅施設や信号システムのアップグレードなど、路線全体の近代化を目的としたものでした。工事期間中は一時的に運行が停止されましたが、2006年9月11日（当初予定より11日遅れで）に運行を再開。改修工事によってラッシュ時の輸送能力はおよそ25%向上し、所要時間も短縮されました。


路線概要

路線長: 約2.5km
駅数: 2駅（ウォータールー駅、バンク駅）
所要時間: ウォータールー駅～バンク駅間 片道約4分
運行状況: 平日中心、時間帯によっては運休あり。
歴史: 1898年開業、2006年大規模改修工事実施。

運行状況について

通勤客の利用が多いことから、運行は平日中心に行われています。特に、ラッシュ時（通勤・通学時間帯）には運行本数を増やし、乗客の利便性を高めています。しかし、それ以外の時間帯、特に夕方の時間帯や休日、祝日などは運休となる場合があります。これは、利用客の減少による運行コスト削減と、保守点検のための時間確保を目的としています。


今後の展望

ロンドンの人口増加と都市開発の進展に伴い、ウォータールー＆シティー線の利用客数は今後も増加すると予想されます。そのため、将来的には、運行時間の延長や、運行本数の増加、さらなる近代化工事が検討される可能性があります。


参考文献

ロンドン交通局: Waterloo & City line facts
Clive's Underground Lines Guide: Waterloo & City Line
BBCニュース: Crane removes shut line's trains

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