ウクライナ南部攻勢

ウクライナ南部攻勢

ウクライナ南部攻勢は、2022年2月24日に開始されたロシアのウクライナ侵攻における主要な軍事作戦の一つです。この攻勢は、ロシア軍がウクライナ南部地域、特にヘルソン州を目標に進軍し、その支配を確立しようとするものでした。

背景

2014年のウクライナ騒乱後、ロシアはクリミア半島を併合しました。その後、ロシア軍はクリミアに駐留し続け、2021年から2022年のロシア・ウクライナ危機の間には、その兵力を大幅に増強しました。これにより、クリミア半島におけるロシア軍の影響力は著しく増大しました。

攻勢の開始

2月24日

ロシアのプーチン大統領がウクライナでの軍事作戦を発表した直後、ロシア空軍はヘルソン州の複数の都市に対し、巡航ミサイルと弾道ミサイルによる攻撃を開始しました。その後、空軍の支援を受けながら、ロシア軍はクリミア半島を経由してヘルソン州へ侵攻を開始しました。

ロシア海軍は黒海を封鎖し、ヘルソン州へのウクライナ軍の補給を制限しました。さらに、ウクライナ南部への海上輸送を妨害しました。この結果、ウクライナはアゾフ海における商業輸送を一時停止せざるを得なくなり、100隻以上の船舶が港に足止めされました。

夕方までに、ロシア軍はヘルソン市に到達し、市街戦が勃発しました。ロシア軍はドニエプル川を渡河しようとしましたが、ウクライナ軍の反撃により一時的に阻止されました。

2月25日

ロシア軍はノーバカホフカ市を包囲しました。同時に、ウクライナは北クリミア運河を封鎖せず、2014年のクリミア併合以来クリミアに課せられていた断水を解除しました。また、ロシア軍はヘルソン州南東部を通過してメリトポリへ進軍し、ザポリージャ州でも戦闘が発生しました。

2月26日

ロシア軍は、ザポリージャ州の都市メリトポリを占領したと発表しました。

2月27日

ロシア国防省は、ヘルソンとベルジャンシクの2都市を完全に包囲したと主張しました。

3月1日

ロシア軍はヘルソンを西側から攻撃し、市内に侵入しました。また、ウクライナ政府は、エネルホダルが包囲されたと発表しました。

3月2日

ロシア国防省は、ヘルソン中心部を完全に掌握したと発表しました。

3月3日

コリハイエフ市長は、市がロシア軍に占領されたと発表しました。ヘルソン北部とマリウポリ市では、激しい戦闘が続いていました。マリウポリ当局は、この日までに数百人の民間人が死亡したと発表しました。

一方、ロシア軍はザポリージャ原子力発電所の制圧を試み、砲撃により管理棟と発電所の6基の原子炉のうち1基が火災を起こしました。しかし、放射線レベルは正常範囲内であり、火災は重要な機器に損傷を与えなかったとされています。

ヴォズネセンスクでは、ウクライナ軍と地元義勇兵がロシア軍を撃退し、多数の兵士が負傷または捕虜となりました。

3月4日

ロシア軍はムィコラーイウ郊外の一部を占領しましたが、ウクライナ軍はムィコラーイウ国際空港を奪還しました。また、ロシア軍はエネルホダルとザポリージャ原子力発電所を占領しました。

ウクライナは、モルドバの分離地域である沿ドニエストルに駐留していたロシア軍がウクライナに侵入するのを防ぐために、沿ドニエストルとの国境にある鉄道橋を爆破しました。

3月5日

ロシア軍はエネルホダルと発電所の周辺を支配し、地元当局が市の運営を継続することを許可しました。ウクライナ軍は、フリャイポールの防衛に成功したと発表しました。

脚注

[出典]

関連項目

ウクライナ紛争 (2014年-))
ロシア・ウクライナ危機 (2021年-2022年))
* 2022年ロシアのウクライナ侵攻

もう一度検索