ウスベニアオイ

ウスベニアオイ（薄紅葵）について

ウスベニアオイ（学名: Malva sylvestris）は、アオイ科ゼニアオイ属に分類される二年草です。ヨーロッパを原産とし、日本では帰化[[植物]]として扱われていますが、ヨーロッパではごく一般的な植物として自生しています。和名のウスベニアオイは、栽培されているものに対してつけられた名前で、別名ブルーマロウとも呼ばれます。近縁種であるゼニアオイ（Malva mauritiana）は、ウスベニアオイの変種として扱われることもあります。

形態・生態

ウスベニアオイは非常に丈夫で寒さに強いのが特徴です。草丈は20cmから80cm程度ですが、生育環境によっては2mに達することもあります。茎にはまばらに毛が生えています。葉は長い柄を持ち、対になって生え、多くは掌状に3〜5つ（時には7つ）に裂けており、縁には鋸歯があります。

花期は夏で、葉の付け根から細い花柄が数本ずつ束になって伸び、赤紫色または白色の花を咲かせます。花の直径は約3.5cmで、5枚の花弁を持ちます。雄しべは多数あり、花糸の下半分は合着して筒状になっています。この筒の中に雌しべがあり、先端は10裂しています。花柄の上端部には、萼に接するように3枚の小包葉があります。萼は浅く5つに裂け、それぞれの萼片は三角形の形をしています。

果実は、10〜11個の分果が輪状に並んでおり、熟すとハチの巣のように凹んだ形になります。

人間との関わり

利用

ウスベニアオイの花は、ハーブティーとして利用されており、お湯を注ぐと透明感のある青色のお茶になります。レモンを加えるとピンク色に変化するため、見た目にも楽しむことができます。また、近縁種には、芳香のあるムスクマロウや、地面を這うように広がるクリーピングマロウなどがあります。ウスベニアオイの花の水溶液は、酸性や塩基性の溶液を加えることで色が変化するため、理科の教材や夏休みの自由研究で活用されることもあります。

若葉と花はサラダやハーブティーとして、葉と根は茹でて野菜として食用にすることも可能です。民間薬としては、咳や胃炎に効果があるとされています。ただし、妊娠中の人や特定の食品にアレルギーを持つ人、医師の治療を受けている人は、利用を控えるか、事前に医師に相談することが推奨されます。

栽培

ウスベニアオイは、日当たりの良い場所で、水はけの良い弱アルカリ性の土壌を好みます。夏場は乾燥しやすいため、水やりを怠らないようにしましょう。多湿な環境を好みますが、受け皿に水を溜めると根腐れの原因になるため注意が必要です。特に冬場は乾燥気味に育てるのが適しています。種まきは4月中旬から5月中旬頃までに行い、株分けは4月〜6月または9月〜10月頃が適期です。種は8月〜9月頃にできます。直根性のため、種を直接まくのが良いですが、市販の苗を購入した場合は、植え付けの際に根を傷つけないように注意しましょう。

参考文献

長田武正『原色日本帰化[[植物]]図鑑』保育社、1976年6月1日。ISBN 4-586-30053-1。

関連項目

ハーブティー
アントシアニン

外部リンク

Malva sylvestris L.（英語）
Malva sylvestris（英語）
Malva sylvestris - Encyclopedia of Life（英語）
* ゼニアオイ - 岡山[[理科大学]]生物地球学部 植物雑学事典

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