ウズベキスタンの地方行政区画

ウズベキスタンは、中央アジアに位置する共和制国家です。その地方行政区分は、12の州（viloyat）、1つの共和国（respublika）、そして首都タシュケントを特別市（shahar）として、合計14の地方行政区画で構成されています。これらの地方行政区画の下には、さらに地区という下位行政区画が設置されています。

首都であるタシュケントは、他の州や共和国とは異なり、特別市として独立した地方行政区画として位置付けられています。これは、タシュケントがウズベキスタンの政治、経済、文化の中心地として、特別な地位を有していることを反映しています。

ウズベキスタンの地方行政区分は、複雑な歴史的経緯を反映しています。ロシア帝国による中央アジア征服以前は、現在のウズベキスタン地域には、様々な勢力が存在していました。ロシア帝国の支配下では、サマルカンド州、シルダリヤ州、そしてフェルガナ州の3州が設置され、これらはタシュケントに設置されたトルキスタン総督府の管轄下に置かれました。また、ブハラ・アミール国とヒヴァ・ハン国も、ロシア帝国の保護国として、トルキスタン総督府の管轄下にありました。

1917年のロシア革命後、トルキスタン総督府は廃止され、ソビエト政権が成立しました。その後、1924年には民族境界画定政策が実施され、ウズベク・ソビエト社会主義共和国が成立しました。この時、現在のウズベキスタンの領域がほぼ確定しました。このソビエト時代には、ウズベク・ソビエト社会主義共和国の領域に様々な変更があり、州の設置、廃止、統合などが繰り返されました。タジク自治ソビエト社会主義共和国の分離、カラカルパク自治ソビエト社会主義共和国の設置なども重要な出来事です。首都も当初はサマルカンドでしたが、1930年にタシュケントに移転しています。

1991年にはソビエト連邦が崩壊し、ウズベキスタンは独立しました。独立後も、地方行政区分には変更がありました。カラカルパク自治ソビエト社会主義共和国は、カラカルパクスタン共和国に改組され、現在に至ります。

このように、ウズベキスタンの地方行政区分は、ロシア帝国時代、ソビエト時代、そして独立後の変遷を反映した、複雑な歴史的経緯を持つものです。現在、12の州、1つの共和国、1つの特別市からなる地方行政区分は、ウズベキスタンの政治、経済、社会の安定と発展に重要な役割を果たしています。各地方行政区画には、さらに地区という下位行政区画があり、多層的な地方行政組織を形成しています。この複雑な地方行政組織は、ウズベキスタンの広大な国土と多様な地域性を反映したものです。それぞれの州や共和国、そして地区は、独自の文化や歴史、そして経済的特徴を持ち、ウズベキスタンの多様性を示す重要な要素となっています。

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