ウラカワチェリー

ウラカワチェリー：シンザンの血を受け継いだ競走馬

ウラカワチェリー（1972年5月3日 - 1980年2月16日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬として活躍しました。その華麗なる競走生活は、数々の名馬との競演、そして幾多の勝利と敗北によって彩られました。

名門の血統

ウラカワチェリーの父は、戦後初のクラシック三冠馬として名高いシンザンです。この偉大な血統は、ウラカワチェリーの競走能力の基礎を築きました。母であるセカイイチオーの血統もまた、輝かしいものを持っています。母の父であるティエポロは、ブルードメアサイアーとしてタニノチカラ、タニノムーティエ、ロングエースといった名馬を輩出しました。さらに遡ると、母の父の父であるブルーピーターは、フェアウェイ系の種牡馬として2000ギニー、ダービー、エクリプスステークスを制した名馬であり、ティエポロと同様にブルードメアサイアーとしても成功を収め、イギリスのリーディングブルードメアサイアーに輝いたこともあります。

ウラカワチェリーの管理調教師を務めたのは、騎手時代にはシンザンの主戦騎手として活躍した栗田勝でした。師弟関係ともいえる繋がりは、ウラカワチェリーの競走生活において大きな支えとなったことでしょう。同期には、エリモジョージ、カブラヤオー、テスコガビーといった名馬が名を連ね、激しい競争を繰り広げました。

激動の競走生活

1974年7月の札幌でのデビュー戦から、ウラカワチェリーは数々のレースを経験しました。デビュー2戦目では1番人気に応え、6馬身差の圧勝劇を演じました。重賞初挑戦となった函館3歳ステークスでは2着、紅葉杯でも2着と好成績を収めます。しかし、阪神3歳ステークスでは8着と初めての着外となり、若駒の競争の厳しさを思い知ることとなります。

その後も、数々のレースで勝利と敗北を繰り返します。テスコガビーに圧勝を許したレースもありましたが、持ち前の才能と努力で勝利を重ね、巴賞、アカシヤステークス、あずさ賞などを制覇。函館記念では2着、道新杯でも2着と、常に上位争いを演じました。しかし、1976年には6戦連続着外と苦戦を強いられ、1977年には11連敗を喫するなど、競走生活は決して平坦なものではありませんでした。

しかし、ウラカワチェリーは諦めませんでした。1978年には松籟ステークス、木曽川特別などで勝利を収め、そしてついに、北九州記念で重賞初制覇を成し遂げます。さらに、阪神牝馬特別でも勝利し、重賞2勝目を飾りました。これらの勝利は、ウラカワチェリーと関係者たちの努力の結晶でした。1979年2月に引退するまで、ウラカワチェリーは計19戦7勝の成績を残しました。

繁殖牝馬として

引退後は繁殖牝馬となりましたが、1980年2月16日に死亡しました。短い競走生活と短い繁殖生活でしたが、ウラカワチェリーは、日本の競馬史にその名を刻みました。その血統は、現在も受け継がれ、新たな名馬の誕生に貢献しているかもしれません。ウラカワチェリーの活躍は、多くの競馬ファンにとって忘れられない記憶として、長く語り継がれることでしょう。

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