ウラジロ科

ウラジロ科（Gleicheniaceae）について

ウラジロ科はシダ植物の中でも特に原始的なグループとして知られています。この科には独自の特徴がいくつかあり、その中でも葉の先端に成長点を持ち、無限成長を可能にする点が非常に特異です。通常、植物の葉には成長点が存在しませんが、ウラジロ科ではこの成長点により新たな羽片が次々に展開されます。

概要

ウラジロ科の植物は常緑性の多年生であり、地上性のシダ植物です。その根茎は地表近くを長く這い、毛や鱗片を付けることがあります。中心柱は原生中心柱であったり、管状中心柱であったりとバリエーションがあります。

葉の構造は非常に興味深く、葉身は羽状複葉のように分枝しますが、先端に常に成長点が存在するため、伸び続けることが可能です。この成長特性により、株は時には数メートルに達することもあります。葉脈は通常、遊離しているのが特徴です。

胞子嚢の特徴

ウラジロ科の胞子嚢は葉脈の背に形成され、包膜を持たないのが一般的です。胞子嚢は通常少数で、多くても15個程度の胞子が同時に熟します。その形状は幅の広い洋なし型で、柄が無く、環帯が胞子嚢を一周し、斜めに配置されています。胞子は四面体形または左右対称形で、一つの胞子嚢に128個以上、場合によっては1000個以上の胞子を含むこともあります。前葉体は地上性で、時には中心部が厚くなることがありますが、これらの植物は生育が難しく、培養がチャレンジングです。

系統的な位置

この科はフサシダ科と共に古い起源を持つ原始的なシダ類と考えられており、分子系統の情報でも他のグループ、特にイノモトソウ科との関係が支持されています。化石の記録は石炭紀初期にまで遡ることができ、ジュラ紀から白亜紀初期には最も栄えましたが、白亜紀後期には衰退が見られました。

下位分類

現在、ウラジロ科には3つの属が認知されています。最も多様な種を持つのはウラジロ属であり、主に熱帯地方に約120種分布しています。コシダ属は同じく熱帯地域に10種、プラティゾマ属にはオーストラリアに1種だけ存在します。プラティゾマ属を独立した科として扱う提案もありますが、これには十分な根拠がありません。また、過去にはストロマトプテリスがこの科に含まれていたこともあります。

• - Gleicheniaceae: ウラジロ科
• - Dicranopteris: コシダ属（例：コシダ）
• - Gleichenia: ウラジロ属（例：ウラジロ、カネコシダ）
• - Platyzoma: プラティゾマ属
• - Stromatopteris: ストロマトプテリス属

これらの要素がウラジロ科のシダ植物を一層ユニークにしており、その魅力を引き立てています。

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