石炭紀

石炭紀（Carboniferous Period）

石炭紀は、地質時代の区分の一つで、古生代の後半にあたります。この時期は、おおよそ3億5920万年前から2億9900万年前の間に存在しました。石炭紀は、デボン紀の大量絶滅の後、ペルム紀の前にあたる時代であり、多くの地域で熱帯気候が広がる一方、南極では寒冷化が進行していきました。

名前の由来

この時代の名称は、主に石炭を産出する地層から由来しています。古代の大森林が形成されていた証拠として、その豊富な石炭層が存在することが挙げられます。特に北米では、石炭紀の前半をミシシッピ紀、後半をペンシルベニア紀と分けて呼ぶことがあります。

生物の進化

石炭紀の陸上環境では、シダ植物が豊かに生育し、昆虫や両生類が繁栄しました。この中でも、有羊膜類が登場し、二つの主要な系統、つまり爬虫類へ進化する竜弓類と哺乳類へ繋がる単弓類が分岐しました。爬虫類ではヒロノムスなどの多様な種が知られます。また、初めて翅を持つ昆虫が出現し、飛行の進化が始まりました。特に、全長45cmの巨大ウミサソリや、翼長70cmのオオトンボは、その大小において記憶される存在です。

石炭紀末には、多様な生物が栄えましたが、数百万年の氷河時代が到来し、多くが絶滅の危機に瀕しました。特に、林の中で繁栄した巨大なシダ類は、この時代の象徴的な存在で、リンボクはさらに大きく成長し、36mにも達するものがありました。

環境と気候

石炭紀の環境は、全体的に湿潤であり、時折寒冷化が見られました。この時期には、木材を分解する菌類がまだ進化していなかったため、豊富な森林が形成され、多くの炭素が固定化されました。その結果、ペルム紀初期の大気中の酸素濃度は35%にも達したとされ、これが動植物の大型化を促進したのではないかと考えられています。

この時期の植物の繁栄によって、大量の二酸化炭素が吸収され、石炭に変わることで大気中の二酸化炭素濃度が減少しました。これが寒冷化への重要な要因の一つとして位置づけられています。石炭紀からペルム紀にかけて、単弓類が最も繁栄しましたが、その後、二酸化炭素レベルの低下に伴い、酸素濃度も減少しました。

地質学的な側面

地質的には、石炭紀はバリスカン造山運動の活動期でした。この時代、ライク海が消失し、生物の陸上進出も進みました。また、シベリア大陸やカザフ大陸といった小さな大陸の存在も確認されています。これに伴い、地質的変動が進行し、次の時代のパンゲア大陸の形成へと繋がっていきます。

石炭紀は生物の進化や環境変化において非常に重要な時期であり、陸上生態系の発展を理解するうえで欠かせない時代と位置づけられています。

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