ウリクペン救助隊

ウリクペン救助隊：動物たちの活躍と友情が光る、70年代を代表するアニメ

1974年から1975年にかけて、フジテレビ系列で放送された『ウリクペン救助隊』。ユニマックスとタツノコプロによる共同制作で、全132話（22回分）という長編アニメーションです。現在ではMK COMPANYが著作権を保有しています。

放送時間は毎週月曜日から土曜日までの18時55分から19時。前期は日本冷蔵（現ニチレイ）、後期はエスエス製薬の一社提供で放送されました。日本だけでなく、1989年には香港の亜洲電視でも放映され、国際的な人気を獲得した作品でもあります。

ウリクペン王国を舞台にした、動物たちのレスキュー物語

物語の舞台は、ウリクペン王国。ウサギ、リス、クマ、ペンギンといった個性豊かな動物たちが、ウリクペン救助隊を結成し、森の仲間たちを様々な災難から救出します。チーム名は、初期メンバーであるこれらの動物たちの名前から取られています。

番組は、1つの救助ミッションを1週間かけて描くというユニークな構成でした。毎週土曜日には、その週でいち早く救助活動を終えた隊員に「今週の功労賞」が贈られる様子が放送され、子供たちの視聴者を引きつけました。

個性豊かなキャラクターたちが織りなす、賑やかな救助劇

隊員たちはそれぞれ、魅力的な個性を持っています。

ライオンのボス: ウリクペン王国の国王であり、救助隊の隊長。常に王宮で待機し、隊員たちを指揮します。
ウサギのショータロー: 救助隊の中心的存在。正義感が強く、いつも元気いっぱいです。唯一の弱点として、泳げません。
リスのピンスケ: 小柄ながらも、非常に素早い動きが特徴です。
クマのハチゴロー: 隊員の中で最も体が大きく、怪力自慢。コミカルなキャラクターで、功労賞受賞は少ないです。
ペンギンのギンタ: クールなキャラクターを装っていますが、実は熱くなりやすい一面も。
イノシシのチョチョ: 常にサングラスをかけている、猪突猛進タイプ。ハチゴローとは、良いライバル関係です。
トナカイのムー: ベテラン隊員で、チームの相談役的存在。隊員の中で最も背が高いです。
カモメのリンリン: 救助隊の紅一点。通信や情報収集を担当し、空から隊員たちを見守ります。飛行能力を持つ唯一の隊員です。
* コアラのコアラちゃん: 見習い隊員で、正式な隊員ではありません。朝寝坊と昼寝が癖で、正式隊員になることを目指して奮闘中です。

功労賞発表のシーンでは、オウム（ファンファーレ担当）とチンパンジー（ドラムロール担当）も登場しますが、どちらも声を発しません。

対照的な存在、ウルフ暗黒帝国

ウリクペン救助隊の活動を妨害するのが、オオカミのハングルフ率いるウルフ暗黒帝国です。ハングルフは洞窟のアジトから指令を出し、時には自ら前線で行動することもあります。

ハングルフの部下には、コンドル、カラス、コウモリ、そして古代怪獣のアングリルなどがいます。それぞれが空や地中から、救助隊の活動を妨害しようとします。

毎週のストーリー展開

番組は、毎回同じような展開でストーリーが進んでいきます。

1. ボスとリンリンの前に隊員たちが集結し、任務が下される。
2. 隊員たちは専用車で現場へ向かい、リンリンは空から見守る。
3. ウルフ暗黒帝国による妨害を乗り越え、隊員が任務を達成する。
4. 功労賞の発表と、受賞者への表彰。

スタッフと主題歌

総監督には笹川ひろしと原征太郎、プロデューサーは永井昌嗣、企画は鳥海尽三、原作は金子満などが名を連ねています。

主題歌も人気を博しました。前期オープニングテーマは水木一郎とコロムビアゆりかご会による「がんばれ！ウリクペン救助隊」、挿入歌には堀江美都子とこおろぎ'73による「帰ろうよランラララン」が使用されました。

視聴者参加型企画とスポンサー

日本冷蔵提供時代には、功労賞受賞者予想の懸賞企画が行われました。正解者には、ウリクペン隊員のバッグを模した玩具がプレゼントされました。また、スポンサーがエスエス製薬に変わった際には、オープニングフィルムがカットされ、CMが放送されるようになりました。

『ウリクペン救助隊』は、魅力的なキャラクター、シンプルながらも飽きのこないストーリー展開、そして視聴者参加型企画など、様々な要素が組み合わさった、70年代を代表する人気アニメーションでした。その賑やかで心温まる物語は、今も多くの人の記憶に残っています。

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