ウリ共和党 (大韓民国 2020)

韓国保守政党ウリ共和党：その軌跡と政治的立場

ウリ共和党は、韓国の保守政党として2020年3月に設立されました。発足前身は自由共和党で、さらにその源流を辿ると、朴槿恵前大統領の弾劾無効を訴える集会（太極旗集会）を積極的に展開していた勢力に繋がります。そのため、韓国では極右政党と認識されています。

朴槿恵大統領の弾劾訴追後、親朴派は自由韓国党から離脱し、複数の政党を結成しました。ウリ共和党（旧大韓愛国党）もその一つで、一時、国会議員を複数抱える勢力でした。しかし、2019年末には党内対立が激化。共同代表間の対立により党勢は縮小し、所属国会議員は一人になってしまいました。

窮地の中、ウリ共和党は他の親朴派政党との統合を目指し、自由統一党との合併を実現。2020年3月、自由共和党として再出発を果たしました。しかし、合併後も党内対立は続き、新たな共同代表が離党。同月、党名をウリ共和党へと改称することになります。

2020年4月に行われた第21代総選挙では、ウリ共和党は議席獲得に失敗。全ての議席を失い、弱小政党へと転落しました。この結果、親朴派を基盤とする極右政党は国会から姿を消すこととなりました。

ウリ共和党の政治的立場

ウリ共和党は、自由民主主義、市場経済、法治主義といった価値観を重視。建国理念と政策を継承する党と自らを規定しています。具体的な政策目標としては、反共主義に基づいた平和統一の追求、法と原則の重視、米韓同盟の強化、経済的自由の確保、歴史教育の改善、社会的弱者への支援、そして第四次産業革命への対応などを掲げています。

特に、文在寅政権への批判、自由民主主義体制の擁護、そして朴槿恵前大統領弾劾の真実究明を掲げる点で、保守的な立場を明確に示しています。

太極旗集会との関係

ウリ共和党は、朴槿恵前大統領弾劾反対デモや文在寅大統領退陣運動などを包括する「太極旗集会」と密接に関連しています。太極旗集会は朴槿恵支持者によって継続的に開催されており、ウリ共和党の前身政党もその主催団体の一つでした。

2020年には、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、太極旗集会の中断を余儀なくされました。しかし、一部関係者による集会強行なども発生しており、社会的な注目を集めました。

党指導部と選挙結果

2020年3月の時点で、ウリ共和党の代表には趙源震、共同代表には金文洙（後に離党）が就任。その他、事務総長、政策委員会議長、最高委員などが党運営を担いました。

しかし、前述の通り、2020年の総選挙では敗北を喫し、現在に至ります。

まとめ

ウリ共和党は、朴槿恵前大統領への支持を基盤に誕生した韓国の保守政党です。党内対立や総選挙での敗北など、幾多の困難を経験してきました。その政治的立場は保守的で、反共主義、自由民主主義、市場経済などを重視する一方、文在寅政権への批判や朴槿恵前大統領への支持を明確に示しています。太極旗集会との深い繋がりも、同党の特徴の一つと言えるでしょう。今後の動向が注目されます。

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