ウルグアイ内戦

ウルグアイ内戦（大戦争）

ウルグアイ内戦、または大戦争は、19世紀のウルグアイでコロラド党とブランコ党が激しく対立した内戦です。この内戦は、ウルグアイの政治的、経済的、そして社会的な構造に大きな影響を与えました。

開戦の経緯

1828年にシスプラティーナ戦争の結果としてウルグアイが独立すると、ブラジル帝国とアルゼンチンの二大国に翻弄されることになります。ウルグアイの初代大統領となったフルクトゥオソ・リベラは、コロラド党を創設し、反アルゼンチン政策を採りました。これに対し、アルゼンチンのフアン・マヌエル・デ・ロサスは統一派の亡命者を受け入れたリベラを警戒し、対立が深まりました。

1836年までに、ウルグアイではコロラド党とブランコ党という二大政党が誕生しました。コロラド党はモンテビデオの都市民やイタリア系移民を支持基盤とし、親ブラジル政策を掲げました。一方、ブランコ党は農村部のスペイン系市民を支持基盤とし、親アルゼンチン政策を採りました。

1835年にアルゼンチンの連邦派指導者フアン・ファクンド・キロガが暗殺されると、ロサスがブエノスアイレス州知事に返り咲き、アルゼンチンの実質的な支配者となりました。ブランコ党のマヌエル・オリベはロサスと親しく、ウルグアイとアルゼンチンの連邦主義による連合を望んでいました。ロサスも大アルゼンチン主義の立場から、ブランコ党を支持しました。

1830年代、イギリスとフランスはラ・プラタ川流域への進出を目論んでいました。フランスはロサスと対立し、ウルグアイ大統領だったオリベがロサスに好意的な態度をとると、リベラや亡命アルゼンチン統一派はフランス軍の介入を求めました。1838年、オリベが大統領を辞任し、リベラ政権が樹立されると、アルゼンチン統一派はモンテビデオに亡命政府を樹立しました。フランスはコロラド党を支援することで、ラ・プラタ地域への傀儡政府を樹立しようとしました。ロサスはこれを認めず、1839年にリベラはアルゼンチンに宣戦布告しました。

大包囲

1840年、アルゼンチンの亡命者はウルグアイからアルゼンチン北部に侵入しようとしましたが、失敗しました。1842年、マヌエル・オリベはフルクトゥオソ・リベラ軍を破り、ブランコ党軍がモンテビデオの包囲を開始しました。包囲は9年間続き、解放奴隷や亡命者がモンテビデオ市の守備に就きました。イギリスも物資を補給するなどしてこれを支援しました。

モンテビデオで数学教師をしていたジュゼッペ・ガリバルディは、コロラド党軍の将軍としてモンテビデオ市を守備しました。ガリバルディ率いる義勇兵は、サルトなどを拠点にロサス軍へのゲリラ戦を行い、その名声を高めました。しかし、イギリスとフランスはロサスの抵抗に屈し、撤退しました。

リトラル・パラグアイの動向

ロサスがラ・プラタ川を封鎖すると、上流のリトラル三州やパラグアイに併合されていたミシオネス州は困窮しました。リトラル三州では反ロサス運動が度々起こり、パラグアイがこれを支援しました。ロサスはパラグアイに対しても交易禁止政策を採り、干戈を交えました。

終結

1851年、フスト・ホセ・デ・ウルキーサはロサスに反旗を翻し、ブラジル帝国やコロラド党と同盟しました。ブラジル軍も介入し、ウルキーサはモンテビデオを包囲していたブランコ党軍を破り、コロラド党を政権に就けました。その後、ウルキーサはアルゼンチンに進入し、ロサスを破り、アルゼンチン連合の最高権力者となりました。ロサスはイギリスに亡命し、困窮のうちに死去しました。

ウルグアイはブラジルに大きな借りを負い、領土の一部を割譲させられました。また、コロラド党とブランコ党の争いは続き、パラグアイでの三国同盟戦争へと繋がっていきました。

関連項目

シスプラティーナ戦争
ウルグアイ戦争
* パラグアイ戦争

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