ウージェニア (小惑星)

ウージェニア（エウゲニア）について

ウージェニア、またはそのラテン語表記であるエウゲニア（45 Eugenia）は、主に小惑星帯と呼ばれるメインベルトで見られる比較的大きな小惑星です。特筆すべきは、地上から観測された初めての衛星を有する小惑星として知られている点です。さらに、メインベルト内では、(87) シルヴィアに次いで2つの衛星を持つ小惑星という位置付けにもあります。

発見の歴史

ウージェニアは1857年に天文学者であるヘルマン・ゴルトシュミットによって発見され、その名はフランス皇后ウジェニーに由来しています。この小惑星は、実在の人物の名前が初めて命名に用いられたものであり、過去には女王ビクトリアがギリシャ神話の神に由来する名前とされるなど、命名に関する議論が多かったことも記憶に新しいです。なお、「エウゲニア」という名称はラテン語の表記法を踏襲したものです。

性質と特性

ウージェニアはゲフィオン族に似た軌道を持っていますが、明確にその一員ではありません。さらに、独自の小規模な小惑星族を代表している可能性が指摘されています。直径はおよそ214kmと推測されており、F型小惑星に分類されることから、その色合いは非常に暗く、炭素質の組成を含んでいます。この特性は、同じく低密度で知られる(253) マティルドと共通しています。さらに、この小惑星がラブルパイル構造を持つとの仮説も提起されています。

自転に関しては、ウージェニアの自転軸は黄道に対して約117度±10度傾いているとされ、これによってその運動特性の理解が深まっています。

衛星の発見

ウージェニアの周りには2つの衛星が存在します。1998年11月、ハワイのマウナケア天文台において、カナダ・フランス・ハワイ望遠鏡の観測チームによって最初の衛星が確認されました。この衛星は「プティ・プランス」という名前がつけられ、地上の天文観測から衛星を特定する際の新たなマイルストーンとなりました。

その後、2007年4月7日に国際天文学連合の回報で、もう一つの衛星S/2004 (45) 1の発見が報告されました。こちらは、ヨーロッパ南天天文台のパラナル天文台にある8.2mの望遠鏡で観測された結果です。

まとめ

ウージェニアは、地球からの観測によって初めて衛星が発見された大型小惑星で、その独自性や構成に関する研究が進められています。小惑星の動きや衛星との相互作用を理解する手助けとして、今後も注目される天体であることは間違いありません。

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