ウーマン・フロム・トーキョー

「ウーマン・フロム・トーキョー」(Woman from Tokyo) は、ディープ・パープルが1973年1月に発表したアルバム『紫の肖像』に収録された楽曲です。日本をテーマにしたこの曲は、バンドの代表作の一つとして広く知られています。

制作の背景

ディープ・パープルは1972年8月に初の日本公演を行いました。この楽曲は、その一か月前の7月にローマで行われたアルバム制作中に、日本への想いを込めて録音されました。当時、翌1973年6月に脱退することになるイアン・ギランがボーカルを務めており、ディープ・パープルの第2期における最後の楽曲の一つとなりました。

楽曲の特徴

歌詞には、日本を象徴する「the rising sun」（日の出）や「an Eastern dream」（東方の夢）といった言葉が散りばめられています。また、日本人女性の魅力が歌われており、異国情緒あふれる雰囲気を醸し出しています。楽曲の中間部には、プログレッシブ・ロックへの敬意を表した、夢見るような緩やかなブリッジが設けられています。シングル版ではこの部分はカットされています。

評価

「ウーマン・フロム・トーキョー」は、ディープ・パープルの楽曲の中でも特に人気が高く、ラジオなどで頻繁に放送されました。1973年2月にはシングルとしてもリリースされ、オランダの公式音楽チャートであるメハカフツで6位、ドイツで16位、ベルギーで23位を記録しました。アメリカ合衆国では最高60位となっています。

オールミュージック (AllMusic) は、『紫の肖像』の中で評価できる曲として「ウーマン・フロム・トーキョー」と「ラット・バット・ブルー」を挙げています。特に「ウーマン・フロム・トーキョー」については、「リッチー・ブラックモア独特のリフが過ぎ去った輝きを彷彿とさせる」と評しています。

Ultimate Classic Rock のサイトが選んだロジャー・グローヴァー作品のトップ10では、第3位にランクインしています。

コンサートでの演奏

初期のメンバーは必ずしもこの曲を気に入っていたわけではなく、1984年の再結成までは演奏されることはありませんでした。しかし、再結成後は定番のレパートリーとなり、数多くのライブで演奏されています。

2011年には、イアン・ギラン、イアン・ペイス、ロジャー・グローヴァー、スティーヴ・モーズ、ドン・エイリーからなる第9期（Deep Purple Mk 9）のDVD『Deep Purple with Orchestra - Live in Montreux』に、スティーヴン・ベントレー＝クレイン指揮の交響楽団との共演が収録されました。

この曲は、ディープ・パープルの音楽的探求心と、日本への敬愛の念が込められた、不朽の名作と言えるでしょう。

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