エアポート (列車)

JR北海道 快速「エアポート」：新千歳空港アクセス列車のすべて

快速「エアポート」は、北海道旅客鉄道（JR北海道）が新千歳空港駅と札幌駅・小樽駅間を、千歳線・函館本線経由で結ぶ重要な役割を担う快速・特別快速・区間快速列車です。札幌近郊路線図では、■ B・■ Cの記号で示されています。

概要

そのルーツは、1988年3月の新千歳空港開港時に運行を開始した快速「空港ライナー」に遡ります。当初は千歳空港駅（現在の南千歳駅）と苫小牧駅 - 札幌駅間を結ぶ列車として誕生しました。1992年7月には、新千歳空港ターミナルビルの完成に合わせて新千歳空港駅まで延伸し、大幅な増発とともに「エアポート」へと名称を改めました。当初は快速のみでしたが、2020年3月には特別快速が、2024年3月には区間快速が加わり、多様なニーズに応える体制となりました。

運行概況

すべての列車が新千歳空港駅を起点とし、札幌駅または小樽駅を発着します。札幌駅までの所要時間は33 - 39分です。2024年3月16日までは、新千歳空港駅発は8 - 20時台、札幌駅発は8 - 19時台に12分間隔で運行されていましたが、ダイヤ改正により毎時6本体制へと移行し、運行間隔は変則的になっています。

札幌駅発着列車の一部は、同駅以西で普通列車として直通運転を行い、小樽駅のほか、手稲駅・ほしみ駅・当別駅（札沼線直通）を発着する列車も存在します。日中時間帯は、1時間あたり特別快速が1本、快速が3本、区間快速が2本運行されるのが基本です。

号数については、下りが11号から、上りが10号からの通し番号が用いられています。ただし、普通列車に割り当てられている号数と100 - 109号は欠番です。これは、列車番号の数字部分を200で割った余りを号数としているためです。

停車駅

特別快速
路線図記号：■ B

新千歳空港駅 - 南千歳駅 - 新札幌駅 - 札幌駅 - 桑園駅 - 琴似駅 - 手稲駅 - 小樽築港駅 - 南小樽駅 - 小樽駅

快速
路線図記号：■ C

新千歳空港駅 - 南千歳駅 - 千歳駅 - 恵庭駅 - 北広島駅 - 新札幌駅 -（白石駅）- 札幌駅 - 桑園駅 - 琴似駅 - 手稲駅 -（稲穂駅 - 星置駅 - ほしみ駅 - 銭函駅 - 朝里駅）- 小樽築港駅 - 南小樽駅 - 小樽駅

区間快速
路線図記号：■ D

新千歳空港駅 - 南千歳駅 - 千歳駅 - 長都駅 - サッポロビール庭園駅 - 恵庭駅 - 恵み野駅 - 島松駅 - 北広島駅 - 新札幌駅 - 札幌駅

使用車両・編成

721系電車と733系電車が共通で使用されています。どちらも3ドアの6両編成ですが、721系は転換式クロスシート、733系はロングシートを採用しているため、定員が異なります。

全列車には、4号車に指定席「uシート」が連結されています。座席指定券は840円で、みどりの窓口・指定席券売機、えきねっとで購入可能です。普通列車として運転される区間では、「uシート」も含めて全車自由席となります。

過去には781系電車も使用されていました。また、785系と789系1000番台は、特急「スーパーカムイ」と直通する快速エアポートとして運用されていましたが、2016年のダイヤ改正以降は行われていません。

沿革

1980年：千歳空港駅（現：南千歳駅）開業に伴い、711系を使用した快速列車が運行開始。
1988年：「空港ライナー」として設定。
1992年：新千歳空港駅開業に伴い、「エアポート」に改称。
1997年：一部列車に711系電車が使用される（短期間）。
2000年：小樽発着の「エアポート」を増発、琴似駅に停車。
2000年：「uシート」の連結開始。
2002年：最高速度を130km/hに向上、恵庭駅に停車。
2003年：「uシート」の設置拡大。
2012年：札沼線直通列車を設定。
2014年：733系電車を投入開始、最高速度を120km/hに引き下げ。
2016年：エル特急「スーパーカムイ」との直通運転を廃止。
2020年：特別快速を設定。
* 2024年：区間快速を新設、桑園駅に停車。

快速「エアポート」は、新千歳空港へのアクセスを支える重要な交通手段として、これからも進化を続けていくでしょう。

もう一度検索