桑園駅

桑園駅の概要

桑園駅（そうえんえき）は、北海道札幌市中央区北11条西15丁目にある、北海道旅客鉄道（JR北海道）の駅です。駅番号はS02で、電報略号はソウ。事務管理コードは▲130123です。副駅名として「JRA 札幌競馬場前」が付けられています。

所属路線は函館本線と、当駅を起点とする札沼線（愛称：学園都市線）の2路線です。

歴史

桑園駅の歴史は、札幌競馬場の開設と深く関わっています。1907年（明治40年）に札幌競馬場が開設されると、翌1908年（明治41年）には、開催日限定で競馬場付近に北五条仮乗降場が設けられました。1911年（明治44年）以降は、毎年競馬場前仮乗降場が設置されるようになりました。

1922年（大正11年）に改正鉄道敷設法が施行され、現在の札沼線にあたる路線の分岐点や設置駅の請願が盛んになると、札幌側の起点として桑園駅を新設する運動が起こりました。この運動は、苗穂駅を分岐点とする運動との間で激しい競争となりました。1923年（大正12年）9月、鉄道当局から「札幌琴似間に函館起点一七八哩六鎖に一駅設くべし」という通達が札幌市に届き、1924年（大正13年）4月には、臨時乗降場の位置に駅を設置することが決定し、同年6月に旅客と荷物を取り扱う駅として開業しました。

1933年（昭和8年）には、札沼南線（現在の札沼線）が分岐するようになり、貨物取扱量が増加しました。隣の札幌駅が旅客駅になると、桑園駅での貨物扱いが増え、設備が拡充されました。しかし、1970年代に貨物取扱量が減少したため、1978年（昭和53年）に高架工事とともに旅客駅に戻りました。

年表

1908年（明治41年）7月30日：国有鉄道琴似駅 - 札幌駅間に北五条仮乗降場が開業。
1908年（明治41年）8月17日：北五条仮乗降場が廃止。
1909年（明治42年）8月25日：国有鉄道銭函駅 - 札幌駅間が複線化。
1909年（明治42年）10月12日：函館本線が函館駅 - 旭川駅間に制定。
1911年（明治44年）以降：競馬開催日に競馬場前仮乗降場を設置。
1913年（大正2年）7月19日：函館本線琴似駅 - 札幌駅間に競馬場前仮乗降場が開業。
1923年（大正12年）1月9日：札沼線分岐点として桑園駅を新設する運動が始まる。
1924年（大正13年）4月：競馬場前仮乗降場の位置に札沼線分岐駅の設置が決定。
1924年（大正13年）6月1日：函館本線琴似駅 - 札幌駅間に桑園駅開業。
1934年（昭和9年）11月20日：札沼南線当駅 - 石狩当別駅（現・当別駅）間開通。
1935年（昭和10年）10月3日：札沼南線が札沼北線と統合し、札沼線に改称。
1940年（昭和15年）10月20日：貨物取扱い開始。
1949年（昭和24年）6月1日：日本国有鉄道（国鉄）に継承。
1950年（昭和25年）10月：桑園倉庫企業組合（後に桑園倉庫株式会社）専用側線運用。
1956年（昭和31年）2月10日：札幌用品庫が札幌駅前から本駅裏東側に移転。
1958年（昭和33年）：札幌拓殖倉庫株式会社専用側線運用。
1959年（昭和34年）12月15日：函館本線（貨物支線）当駅 - 札幌市場駅間が開業。
1962年（昭和37年）6月27日：駅舎改築。跨線橋移設。
1968年（昭和43年）8月28日：函館本線小樽駅 - 滝川駅間が電化。
1978年（昭和53年）10月2日：貨物取扱い廃止。函館本線（貨物支線）当駅 - 札幌市場駅間廃止。
1985年（昭和60年）3月14日：荷物取扱い廃止。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化に伴い、JR北海道の駅となる。
1988年（昭和63年）11月3日：函館本線および札沼線の一部区間が高架化。
1991年（平成3年）3月16日：札沼線に「学園都市線」の愛称を設定。
1994年（平成6年）11月1日：函館本線当駅 - 札幌駅間に札沼線用の単線が増設。
1995年（平成7年）9月1日：旅行センター営業開始。
1995年（平成7年）10月1日：東口新設、傾斜型券売機の設置、エレベーター設置。
1996年（平成8年）6月23日：札沼線当駅 - 八軒駅間がすべて高架化。
1998年（平成10年）10月24日：自動改札機設置。
2000年（平成12年）：札沼線当駅 - 石狩月形駅間に自動進路制御装置 (PRC) 導入。
2007年（平成19年）10月1日：駅番号設定（S02）。
2008年（平成20年）10月25日：IC乗車券「Kitaca」使用開始。
2012年（平成24年）6月1日：札沼線当駅 - 北海道医療大学駅間が電化。
2016年（平成28年）3月31日：旅行センター（ツインクルプラザ）営業終了。
2020年（令和2年）5月1日：副駅名称が「JRA 札幌競馬場前」となる。
2024年（令和6年）3月16日：特別快速・快速「エアポート」と快速「ニセコライナー」が終日停車を開始。
2024年（令和6年）6月1日：開業100周年を迎え記念イベントを開催。

駅名の由来

駅名は、附近の通称地名である「桑園」に由来します。

札幌市電

かつては、札幌市電桑園線が乗り入れており、桑園駅前停留場が設置されていましたが、1960年（昭和35年）に廃止されました。

駅構造

桑園駅は、2面4線のホームを持つ高架駅です。1・2番線を函館本線が、3・4番線を札沼線が使用する路線別配置となっています。社員配置駅で、みどりの窓口、自動券売機、話せる券売機、自動改札機が設置されています。JR北海道本社最寄駅であることから、同社初の自動改札機が試験導入された駅でもありました。

1994年11月1日に当駅 - 札幌駅間の札沼線列車用単線が増設された際に、路線別配線に変更されました。札沼線が非電化であった頃も3番線に架線が張られたままとなっていましたが、2012年6月1日の札沼線電化開業の際に再び活用されることになりました。

現在、函館本線下り線から3・4番線に入ることはできません。一方、2番線の札幌方にある下り出発信号機は函館本線下り線及び、札沼線列車用単線の両方向への進出が可能です。そのため、設備上は札沼線列車用単線に函館本線下り列車が入線することも可能です。

以前は西口のみでしたが、1995年に市立札幌病院が移転してきたことから、東口、エレベーター、エスカレーターが増設されました。

管理駅として、札沼線の八軒 - あいの里公園の各駅を管理下に置いています。

駅構内の店舗・施設

セブン-イレブン 北海道ST桑園東店
げんき堂整骨院／GENKI Plus JR桑園駅
日本調剤 桑園駅ナカ薬局

利用状況

2023年（令和5年）度の1日平均乗車人員は10,033人で、JR北海道では5番目に利用者数が多い駅です。近年は駅周辺のマンション開発により利用客数が増加しています。

駅周辺

駅周辺は、かつて倉庫街でしたが、1995年に市立札幌病院が移転してきてから、大規模商業施設やマンションが建設され、都心部に近いこともあり発展が続いています。

札幌競馬場の最寄駅であり、競馬開催日や場外発売日には駅前から無料送迎バスが運行されています。また、JR北海道の本社とも直結しており、本社ビル内には日本貨物鉄道（JR貨物）北海道支社も入居しています。

主な施設

北海道旅客鉄道（JR北海道）本社
桑園自動車学校
日本貨物鉄道（JR貨物）北海道支社
ジェイアール北海道エンジニアリング 本社
北海道ジェイ・アール・サービスネット 本社
中央区桑園まちづくりセンター
中央警察署桑園西交番
札幌桑園駅前郵便局
北海道信用金庫中央市場支店
北洋銀行桑園支店
北海道銀行中央市場支店
札幌市農業協同組合（JAさっぽろ）本店
市立札幌病院
札幌競馬場
札幌市中央卸売市場
札幌市中央卸売市場場外市場
イオン札幌桑園ショッピングセンター
DCM桑園店
北海道大学札幌キャンパス
札幌市立大学桑園キャンパス
北のたまゆら桑園

バス路線

桑園駅には、複数のバス路線が乗り入れています。西口の「桑園駅」停留所と東口の「市立病院前」停留所があります。

主なバス路線

桑園駅停留所（西口）
ジェイ・アール[[北海道バス]]：桑8、52、札幌競馬場行臨時バス

市立病院前停留所（東口）
北海道中央バス：西51、西71、東63
ジェイ・アール[[北海道バス]]：31、37
じょうてつ：南4

北9条西14丁目（桑園）停留所
北都交通：新千歳空港連絡バス（休止中）

隣の駅

北海道旅客鉄道（JR北海道）

函館本線：琴似駅 - 桑園駅 - 札幌駅
札沼線（学園都市線）：札幌駅 - 桑園駅 - 八軒駅

かつて存在した路線

日本国有鉄道（国鉄）函館本線（貨物支線）：桑園駅 - 札幌市場駅
札幌市電桑園線：桑園市場前停留場 - 桑園駅前停留場

脚注

[参考資料] 札幌市教育委員会 編『新札幌市史』 第4巻（通史4）

関連項目

日本の[[鉄道駅]]一覧

外部リンク

JR北海道 桑園駅

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