エチオピアの行政区画

エチオピアの行政区画

エチオピアは、12の州と2つの自治区からなる連邦国家です。これらの行政区画は、1995年憲法に基づいており、州は民族ごとに構成されている点が特徴です。

州と自治区

州は「地域州」とも呼ばれ、民族連邦主義に基づいて構成されています。各州は州議会が選出した州知事によって統治されています。しかし、アムハラ語の「ክልል」が「居留地」という意味を持つことから、反政権勢力からは批判の声も上がっています。

自治区は、民族的要素を排除し、政治的に中立な地域として設けられています。首都アディスアベバや、ソマリ州とオロミア州の領土問題があったディレ・ダワなどが該当します。ディレ・ダワは、2004年に連邦政府から自治権を与えられ自治区となりました。

行政区画の変遷

1995年憲法制定後、2004年にディレ・ダワが連邦直轄領から自治区に変更された以外、大きな変更はありませんでした。しかし、2018年にアビィ・アハメド首相が就任すると、民族の調和と国内の統合を目指し、行政区画の再編が進められました。多数の民族が居住していた南部諸民族州は、シダマ州、南西エチオピア諸民族州が分立し、残る地域も南エチオピア州と中部エチオピア州に分割されました。

係争地と国境未確定地域

エチオピアは、以下の地域について領有権を主張しています。

アルファシャガ・トライアングル：スーダンとの国境紛争地域。
イレミ・トライアングル：ケニア、南スーダンとの国境に跨る地域。
ソマリア国境（オガデン）：ソマリ州に含まれる地域で、ソマリアが領有権を主張。

かつてはエリトリア国境（バドメなど）も領有権問題がありましたが、2018年の平和条約で解決されました。

下位行政区画

各州は、さらに地方（ゾーン）、県（Woreda）、郡（Kebele）に分かれています。これらの下位行政区画は、地域によって訳語が異なる場合があります。

1995年以前の州

1995年以前、エチオピアは13の州に分かれていました。エリトリア独立前は14州でした。これらの州は現在では行政区画ではありませんが、位置を示す際に用いられることがあります。

アルシ州
バレ州
ベゲムデル州
ガム・ゴファ州
ゴジャム州
ハラルゲ州
イルバボル州
カッファ州
ショア州
シダモ州
ティグレ州
ウェレガ州
ウォロ州
エリトリア州（1993年独立）

1942年以前の州

1942年以前に使われた歴史的な州の名称も、位置を示す際に用いられることがあります。

アガメ州
アガウメデル州
アムハラ州
ダワロ州
デムビヤ州
エンデルタ州
ファタガル州
ハディヤ州
イファト州
ラスタ州
メンス州
クァラ州
セミエン州
テンビアン州
ツェレムト州
ツェゲデ州
ワグ州
* ウェゲラ州

エチオピアの行政区画は、複雑な歴史的背景と民族構成を反映しています。今後の動向にも注目が必要です。

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