ソマリ州

ソマリ州：エチオピア東部の複雑な現実

エチオピア東部に位置するソマリ州は、国内最大の面積を有する州です。その広大な大地は32万7068平方キロメートルに及び、2023年の推計人口は665万7000人に達します。人口密度は20.4人/km2と低く、オロミア州、アムハラ州、南エチオピア州に次ぐ国内4番目の人口規模です。州都はジジガです。

ソマリ州は、1995年の民族に基づく州の再編において、ハラルゲ州の一部を分割して誕生しました。この歴史的背景は、現在もソマリ州の政治的、社会的な状況に影響を与えています。

厳しい自然環境と人道危機

ソマリ州の低地地域では、長期間にわたる雨季の不順によって深刻な干ばつが発生しています。2022年3月中旬までの推計では、680万人以上が緊急人道支援を必要としており、干ばつ地域からの避難民も増加しています。特に、栄養不良の子どもたち約22万5000人と、10万人以上の妊婦や授乳中の女性たちが、緊急の栄養支援を必要としています。この深刻な状況は、ソマリ州の住民の生活を大きく脅かしています。

複雑な歴史と政治情勢

ソマリ州の歴史は、紛争と不安定性に彩られています。1977年には、ソマリアの大ソマリア主義を掲げるシアド・バーレ大統領による侵攻によってオガデン戦争が勃発しました。1988年に停戦が合意されましたが、1994年にはオガデン反乱が発生するなど、現在も隣接するソマリアの国家崩壊の影響を大きく受けています。反政府運動が盛んであり、政治情勢は依然として安定していません。オガデン民族解放戦線(ONLF)などの反政府組織の存在も、この地域の不安定さを助長しています。

人口と民族構成

ソマリ州の人口は、1994年時点で315万2704人でしたが、2007年には444万5219人、2015年には545万3000人、そして2023年には665万7000人に増加しています。この人口増加は、資源の不足や環境問題をさらに深刻化させる可能性があります。

民族構成においては、ソマリ人が96.23%と圧倒的多数を占めています。その他、オロモ人（2.25%）、アムハラ人（0.69%）、グラゲ人（0.14%）などが居住しています。宗教的には、イスラム教が98.4%と大部分を占め、残りは他の宗教に属しています。

経済状況

ソマリ州は乾燥地帯であるため、牧畜が主要産業となっています。農業は限られており、気候変動の影響を受けやすい脆弱な経済構造を持っています。干ばつなどの自然災害は、経済活動に深刻な打撃を与え、人々の生活を脅かしています。

結論

ソマリ州は、広大な面積と増加する人口、そして深刻な干ばつと歴史的・政治的不安定さという、複雑な課題を抱える地域です。人道支援の必要性は高く、持続可能な発展のための包括的な解決策が求められています。国際社会の協力と、エチオピア政府による効果的な政策が不可欠です。オガデン戦争やオガデン反乱といった歴史的背景、そしてソマリア内戦の影響も考慮した上で、平和と安定、そして持続可能な発展を目指した取り組みが重要です。

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