エディ・ショア

エディ・ショア（Eddie Shore、1902年11月25日 - 1985年3月16日）は、カナダ出身のプロアイスホッケー選手でした。ポジションはディフェンスで、主にNHLのボストン・ブルーインズで活躍しました。彼は、そのタフなプレースタイルから「史上最もタフなアイスホッケー選手」と評されることもあります。"エドモントン・エクスプレス"、"オールド・ブラッド・アンド・ガッツ"、"ミスター・ホッケー"などの愛称で親しまれました（"ミスター・ホッケー"は後にゴーディ・ハウの愛称としてより一般的になりました）。

経歴

1924年にWHL (Western Hockey League) のレジーナ・キャピタルズで選手生活をスタートし、当初はフォワードとしてプレーしていました。その後、エドモントン・エスキモーズ在籍中にディフェンスに転向しました。

1927年、WHLの閉鎖に先立ち、1926年8月20日にボストン・ブルーインズへ移籍し、NHLデビューを果たしました。ルーキーイヤーには12ゴール、8アシストを記録し、当時のディフェンスとしては異例の得点力を示しました。

しかし、ショアを有名にしたのは、その得点力以上に、ラフでタフなプレースタイルでした。2年目のシーズンには、ペナルティ・ミニッツで当時のNHL記録となる165分を記録。スケートで相手選手を轢くこともあり、クラウチングスタイルから繰り出される強烈なボディチェックは、ライバル選手を次々と打ち負かしました。

1926年には、チームメイトのクトゥとの間で事件が起こりました。クトゥに襲われたショアは左耳たぶを負傷し、切断を勧められるほどの重傷を負いました。しかし、ショアは麻酔なしで縫合することを希望し、その様子を鏡で見ていたと伝えられています。この事件では、当初ショアがクトゥを告発したものの、後に撤回したため、クトゥへの罰金も取り消されました。

1933年12月12日には、トロント・メープルリーフスのベイリーに背後から危険なボディチェックを行い、16試合の出場停止処分を受けました。ベイリーはこの怪我により現役引退を余儀なくされ、一時裁判沙汰にまで発展しましたが、最終的にはショアと和解しました。この試合で、ショア自身も報復を受け、頭部に怪我を負ったことがきっかけで、ヘルメットを着用するようになりました。

1937年1月28日には背中を痛め、シーズン残りの試合を欠場。アイスホッケー人生で全身に80箇所以上の裂傷を負い、978針を縫う怪我を負いました。鼻骨骨折14回、顎の骨折5回、歯の欠損、背骨、尾骨、首の骨のヒビ、視力低下など、満身創痍の状態でありながら、長年にわたり活躍を続けました。

オールスターゲームには8度出場し、ディフェンス選手としては最多となる4度のハート記念賞（シーズン最優秀選手賞）を受賞。1929年と1939年には、スタンレー・カップ優勝も経験しました。1940年1月25日にニューヨーク・アメリカンズへトレードされ、10試合に出場した後、NHLを引退しました。

引退後

1947年にホッケーの殿堂入りを果たしました。NHL引退後もAHLのスプリングフィールド・インディアンズを買収し、選手として出場したほか、35年間運営に携わりました。AHLの年間最優秀ディフェンス選手には、彼の名を冠したトロフィーが贈られています。

トレーニングにバレエを取り入れるなど、エキセントリックな一面もありましたが、1985年に亡くなった際には、新聞の一面を飾るなど、その功績が称えられました。

詳細情報

NHLオールスター第1チーム選抜（1931年、1932年、1933年、1935年、1936年、1938年、1939年）
NHLオールスター第2チーム選抜（1934年）
ハート記念賞（1933年、1935年、1936年、1938年）
レスター・パトリック賞（1970年）

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