ハート記念賞

ハート記念賞 (Hart Memorial Trophy) について

ハート記念賞、別名ハート・トロフィーは、ナショナルホッケーリーグ（NHL）において、シーズンを通して最も価値のある選手に贈られる賞です。これまでに61名の選手が、合計99回にわたってこの栄誉に輝いています。

ハート記念賞の由来と歴史

この賞の名前は、モントリオール・カナディアンズの監督兼GMを務めたセシル・ハートの父、デイビッド・ハートに由来します。デイビッド・ハートが寄贈したトロフィーが、この賞の起源です。最初の受賞者は、1923-1924シーズンにオタワ・セネターズで活躍したフランク・ナイボルでした。当初は単に「ハート賞 (Hart Trophy)」と呼ばれていたオリジナルのトロフィーは、1960年まで使用されました。

受賞回数と記録

歴代最多受賞者は、アイスホッケー界のレジェンド、ウェイン・グレツキーです。彼は8年連続を含む9回の受賞を果たしており、これは北米4大プロスポーツリーグ（MLB、NFL、NBA）全体を通しても最多記録です。また、ハート記念賞を複数のチームで受賞した選手は、グレツキーとマーク・メシエの2人しかいません。1990年には、メシエがレイモンド・ブルクとの間で、わずか2票差で受賞するという僅差の勝負を制しました。

チーム別の受賞回数では、モントリオール・カナディアンズが16回、ボストン・ブルーインズが12回、デトロイト・レッドウィングスとエドモントン・オイラーズがそれぞれ9回となっています。2005-2006シーズン中にボストン・ブルーインズからサンノゼ・シャークスへ移籍したジョー・ソーントンは、シーズン中に移籍した選手として初めてハート記念賞を受賞しました。

受賞者の殿堂入り

トミー・アンダーソン、アル・ロリンズ、エリック・リンドロスを除く、既に引退した受賞者は、全員がホッケーの殿堂入りを果たしています。これは、ハート記念賞の受賞者が、アイスホッケー界においていかに傑出した存在であるかを物語っています。

選考方法

現在の選考方法は、プロホッケー記者協会（Professional Hockey Writers Association）のメンバーによる投票によって決定されます。投票では、1位に10点、2位に7点、3位に5点、4位に3点、5位に1点が与えられ、上位3名がファイナリストとして選出されます。プレーオフ終了後、3名のファイナリストが発表され、受賞者にはトロフィーが授与されます。2001-2002シーズンには、ホセ・テオドレとジャローム・イギンラが同点となりましたが、1位票の数でテオドレがイギンラを上回り、受賞を果たしました。

ハート記念賞は、NHLの選手にとって最高の栄誉の一つであり、その受賞は、選手としてのキャリアにおける頂点と言えるでしょう。

関連項目

* スタンレー・カップ

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