エディ・プランク

エディ・プランク：ゲティスバーグから殿堂入りへ至る伝説の左腕投手

1875年、南北戦争の激戦地として知られるペンシルベニア州ゲティスバーグに生まれたエドワード・スチュワート・プランク、通称エディ・プランクは、アメリカ野球史に名を刻む偉大な投手でした。左投げ左打ちの彼は、独特の投球スタイルと類まれな才能で、メジャーリーグで活躍し、アメリカ野球殿堂入りを果たしました。

ゲティスバーグからメジャーリーグへ

地元ゲティスバーグ・カレッジで野球を始め、1901年にフィラデルフィア・アスレチックスに入団しメジャーデビューを果たします。その後、1902年から1905年にかけて4年連続で20勝以上を記録。チームは2度のリーグ優勝を飾り、プランクはチームの中心投手として活躍しました。
アスレチックス時代は、ルーブ・ワッデルやチーフ・ベンダーといった名投手達とチームメイトでした。彼らとの競争もあり、年間の登板数は約40試合と、他のスター投手と比べると多くはありませんでした。そのため、最多勝利などのタイトルには縁がありませんでしたが、彼は常にチームの勝利に貢献し続けました。1914年までのアスレチックス在籍期間中、7回も20勝以上を達成し、デビューから1917年の引退まで、防御率は2点台をキープし続けました。

300勝の金字塔と現役引退

1915年、新たに設立されたフェデラル・リーグのセントルイス球団に移籍。この年、左腕投手として史上初の通算300勝を達成するという偉業を成し遂げました。またこのシーズン、8度目の20勝を記録しています。翌1916年にはリーグ解散に伴いセントルイス・ブラウンズに移籍。1917年シーズン終了後、ニューヨーク・ヤンキースへのトレードが決まりましたが、実際にはヤンキースでプレーすることなく現役を引退しました。
興味深いことに、現役時代にはオフシーズンにゲティスバーグの戦跡公園でツアーガイドを務めていたそうです。彼の故郷への愛着が感じられるエピソードです。1926年、故郷ゲティスバーグで死去しました。彼の功績は後世に長く語り継がれ、1946年にはベテランズ委員会によってアメリカ野球殿堂入りが選出されました。

独特の投球スタイルと記録

プランクは、現代野球でも珍しい「左横手投げ」の投手でした。大きく変化するカーブが持ち味で、打者にとっては非常に打ちにくい球種だったと言われています。その証拠に、通算与死球数はウォルター・ジョンソンに次ぐメジャーリーグ歴代2位を記録しています。また、投球間の間が非常に長く、相手チームから抗議を受けることも頻繁にあったそうです。

アスレチックス時代には、防御率2.49、勝利数284、登板数524、投球回3860.2回、奪三振1985個、先発458試合、完投362試合、完封59試合という驚異的な記録を残し、多くの球団記録を樹立しました。

通算成績は、326勝（左腕投手として歴代3位）、69完封（MLB左腕投手最多）、196与死球（歴代2位）という素晴らしい数字を残しました。さらに、1910年には左腕投手として史上初の通算200勝、1911年には最多セーブ投手のタイトルを獲得。4度のワールドシリーズ出場経験もあり、1999年にはメジャーリーグベースボール・オールセンチュリー・チームにもノミネートされています。

まとめ

エディ・プランクは、類まれな才能と努力、そして独特の投球スタイルで、アメリカ野球の歴史に大きな足跡を残しました。ゲティスバーグという小さな町から世界的な舞台へと進み、数々の記録を打ち立て、アメリカ野球殿堂入りを果たした彼の生涯は、後世の野球選手たちにとって、永遠の憧れであり続けるでしょう。彼の記録は、単なる数字を超え、不屈の精神と情熱の証として、これからも語り継がれていくことでしょう。

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