エドマンド2世 (イングランド王)

エドマンド剛勇王（エドマンド2世）の生涯

エドマンド剛勇王、またの名をエドマンド2世は、988年または993年頃に誕生し、1016年11月30日に亡くなったイングランドの王です。彼は在位中に、デンマーク軍による侵略に立ち向かい、その勇敢な戦いぶりから「剛勇王」という異名を持つようになりました。

背景

エドマンドはイングランド王エゼルレッド2世と最初の妻エルギフの次男として生まれ、兄にはエセルスタン、弟にはエアドレッド、エグバート、そして後のエドワード懺悔王がいました。996年に母エルギフを亡くした後、父エゼルレッドはエマ・オブ・ノーマンディーと再婚しました。

王位継承と権力闘争

1014年に兄エセルスタンが亡くなると、エドマンドが王位継承者となります。しかし、これはエゼルレッドとの権力争いの始まりを意味しました。1015年、エドマンドの親友であるSigeferthとMorcarがエゼルレッドによって処刑され、エドマンドは父親の意向に反してSigeferthの未亡人エディス・オブ・イースト・アングリアと結婚することを決意します。この間にデンマークのクヌート王がイングランドに侵攻してきたことが、彼の運命を大きく変えることとなります。

王としての奮闘

1016年、エドマンドはノーサンブリア伯のUhtredと連携し、反乱を起こしました。しかし、Uhtredがエドマンドを裏切り、クヌートの側に回ったため、エドマンドは父エゼルレッドと和解せざるを得ませんでした。エゼルレッドはその年の4月に亡くなり、エドマンドはイングランド王としての任務を受け継ぎます。

彼はデンマーク軍に対抗するため、必死に戦いました。特にロンドンが包囲された際にはウェセックスに行って兵を募り、数度にわたりクヌートに勝利を収めました。しかし、1016年10月8日のAssandunの戦いで決定的な敗北を喫し、和平交渉が行われます。この結果、エドマンドはウェセックスを、クヌートはテムズ川の北部を領有することになり、互いに相手が死んだ場合はその領土を譲るという合意が結ばれました。

最期とその後

エドマンドは1016年11月30日にオックスフォードまたはロンドンで亡くなり、彼の死因は明確にはされていません。自然死説と暗殺の可能性の両方が指摘され、遺体はサマセットのグラストンベリー修道院に埋葬されたとされていますが、その正確な場所は失われています。

王妃エディスとの間には二人の幼子が生まれました。彼らはクヌートによってスウェーデンに送られ、エドワードはキエフ経由でハンガリーに逃れました。エドワードの子孫であるマーガレットはスコットランド王と結婚し、さらにはその子孫が英王ヘンリー1世の妃となりました。こうしてエドマンドの血筋は後のイングランドの王朝に繋がっていくのです。

文学における位置

「エドマンド剛勇王」という戯曲が存在しますが、その作者については不明であり、ウィリアム・シェイクスピアが関与しているという説も議論されていますが、一般的には受け入れられていません。彼の生涯は、イングランドの歴史における重要な一幕を描き続けています。

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