エドワード・ロウ (初代エレンボロー伯爵)

初代エレンボロー伯爵エドワード・ロウの生涯

初代エレンボロー伯爵エドワード・ロウ（1790年 - 1871年）は、イギリスの政治家として数々の歴史的な場面に関わった貴族です。彼は1842年から1844年までインド総督を務め、軍事的介入や併合を推進しました。

経歴の始まり

エドワード・ロウは、1790年9月8日、父エドワード・ロウと母アンの間に長男として誕生しました。イートン校で教育を受けた後、ケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジに進学し、1809年にはマスター・オブ・アーツの学位を取得しました。1813年から1818年にかけて庶民院議員として活動し、その後、1818年に父からエレンボロー男爵の称号を継承しました。

彼は貴族院に転じた後、しばしばトラブルメーカーとして知られ、その評価は低くなりがちでした。しかし、1828年にはアーサー・ウェルズリー内閣の一員として王璽尚書に就任し、その後も複数回にわたりインド庁長官を務めるなど、徐々に影響力を増していきます。

インド総督としての活動

1841年、彼は第二次ピール内閣の成立に伴い、インド庁長官として政権の中核に位置づけられました。そして、1842年にはインド総督として任命され、インドへ赴任します。彼の総督在任中、第一次アフガン戦争の際に壊滅的な状況にあった英印軍を復活させ、カーブルを再占領して捕虜を解放しました。彼はこの成功を背景に、イギリスの威光を印象づけることができました。

しかし、アフガン戦争からの撤退後、彼はシンドに目を向け、アミールに対する軍事介入を決意しました。これはあまりにも大義が乏しいとされ、彼の側近からの反対もあったものの、エレンボロー卿はその意見を無視して実行しました。結果的にアミール軍を撃破し、シンドを併合することに成功しましたが、彼の好戦的な性格は会社役員会から危険視され、1844年に本国に召還されてしまいました。このようにして、彼の総督としての在職期間はわずか2年に収束しました。

帰国後の活動と死去

帰国後、彼はイギリス議会から感謝状を受け、1844年にエレンボロー伯爵の称号を贈られました。また、1846年には海軍大臣に任命され、さらに1858年には再びインド庁長官を務めました。彼は多くの栄典を受け、1828年には枢密顧問官の職にも就きました。

エドワード・ロウは1871年12月22日に死去しました。彼には一人息子が先立っていたため、エレンボロー伯爵位とその下のソウザン子爵位は消滅しましたが、エレンボロー男爵位は甥に受け継がれました。

まとめ

エドワード・ロウの生涯は、イギリスにおける帝国主義の一端を象徴するといえるでしょう。政治家としての彼の手腕やインド総督としての活動は評価されていますが、同時にその好戦的な性格や周囲からの批判も忘れてはなりません。彼の業績は現在でも研究され、歴史的な教訓を私たちに与え続けています。

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