エドワード3世 (イングランド王)

エドワード3世の生涯

エドワード3世（1312年11月13日 - 1377年6月21日）は、プランタジネット朝のイングランド王であり、1327年から1377年まで在位しました。彼は王エドワード2世とその王妃イザベラの長男として誕生し、若くして王位を継承しましたが、即位当初は母イザベラと愛人モーティマーの影響下にありました。しかし、1330年に彼は母とモーティマーの権力を奪い、実権を掌握しました。

初期の治世

エドワード3世は安定した治世を築くため、貴族や議会との関係を改善し、商工業の振興や海軍の再編成を進めました。彼の治世の中で、特に1337年にフランス王フィリップ6世がアキテーヌ公領を没収したことが、百年戦争の引き金となりました。エドワード3世は、母イザベラの血筋を理由にフランス王位を主張し、フィリップ6世に対して宣戦布告しました。

軍事的成功と失敗

治世の初期には、エドワード3世は多くの軍事的成功を収めましたが、後期には黒死病の流行やフランスからの領土の喪失など、様々な困難に直面しました。特に黒死病は彼の治世に経済的影響を及ぼし、国内では労働者の賃上げや社会不安が広がりました。

議会との関係

また、エドワード3世は、議会の権限を強化させる動きがありました。彼の治世では、議会に平民議員が選出され始め、国家の運営において重要な役割を果たすようになりました。この変革により、エドワード3世は議会の支持を受けつつ治世を行ったのです。

ガーター騎士団の創設

1348年にはガーター騎士団を創設し、イングランド最高の勲章を授けることで、騎士道精神の普及を促しました。この騎士団は、後のイングランドにおける騎士階級の重要なシンボルとなりました。

最後の年月と崩御

しかし、エドワード3世の治世後半には、次第にその権威が失われていきます。過度の課税と戦争の悪化により国民の不満が高まり、議会はより積極的にエドワード3世に対抗するようになりました。特に1376年に召集された善良議会では、国王の権限が厳しく問われました。最終的に1377年、エドワード3世は権力を失い、不遇の晩年を過ごしながら病で逝去しました。

子女と後継者

エドワード3世は、王妃フィリッパとの間に七男五女をもうけました。中でも長男のエドワード黒太子は、後に国の未来を担うことになります。エドワード3世の死後は、次男であるリチャード2世が王位を継承しました。

まとめ

エドワード3世の治世は、英仏間の数世代にわたり続く百年戦争を引き起こしたことが特徴的であり、彼の行動は後のイングランドの歴史に多大な影響を及ぼしました。彼の生涯は、権力の取得、国の発展、そして最終的な失脚という起伏に富んだものでした。

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