エドワード6世 (イングランド王)

エドワード6世の生涯と治世

エドワード6世（1537年10月12日 - 1553年7月6日）は、テューダー朝のイングランド王で、その治世は1547年から1553年までの短いものでした。彼は、イングランド史上の重要な王の一人であり、父は著名なヘンリー8世、母は彼の3番目の妃であるジェーン・シーモアです。エドワード6世には異母姉としてメアリー1世とエリザベス1世がいます。

即位と権力闘争

エドワード6世は、父ヘンリー8世の死去により、わずか9歳で即位しました。しかし、彼の即位はとても困難なものでした。ヘンリー8世は、彼の幼少期に権臣たちが子供の王を操ることを懸念し、顧問団による補佐を遺言で残しましたが、実際にはエドワード・シーモアがこの遺志を無視し、自己の権力を握りました。エドワード・シーモアは政権を掌握し、サマセット公位を創設し、護国卿として王を支配しました。

スコットランドとの関係

エドワード6世の治世において、ヘンリー8世は彼とスコットランド女王メアリー・ステュアートとの結婚を計画しました。これは、スコットランドをイングランドに取り込むためのものでしたが、エドワード・シーモアの軍事行動にも関わらず、この計画は失敗に終わります。スコットランドの摂政王太后であるメアリー・オブ・ギーズが娘のメアリーをフランス王太子フランソワと結婚させたため、エドワードの計画は頓挫しました。

権力の変遷

1552年にエドワード・シーモアが処刑されると、ノーサンバランド公のジョン・ダドリーが影響力を持つようになり、エドワード6世に政治の指導を行いました。しかし、エドワードの健康が悪化する中、ダドリーは後の継承問題についての策を練り始めます。1543年に定められた継承順位はエドワード、メアリー、エリザベスでしたが、ダドリーは自分の息子をエドワードの従姉と結婚させ、ジェーン・グレイを王位継承者として名指しさせるようにエドワードに迫ります。

最期とその影響

エドワード6世は1553年7月6日に15歳で亡くなり、その直前にダドリーの意向に沿った遺言を残しました。しかし、彼の死後間もなく、政府はメアリー（のちのメアリー1世）をロンドンに呼び戻し、民衆の支持を受けた彼女が正当な女王として戴冠しました。ダドリー親子とジェーン・グレイは反逆罪で処刑され、エドワードの短い治世とその結末は、イングランドの政治に大きな影響を及ぼしました。

宗教改革の進展

エドワード6世の治世では、イングランド国教会の改革が進みました。礼拝統一法の制定や共通祈祷書の発布が行われ、カトリック教会からの脱却が図られました。彼の取り組みは、イングランドの宗教の方向性を一変させる重要な出来事となったのです。

備考

エドワード6世に関しては、彼の執筆による日記が残っており、英語で書かれた現存する最古のものと考えられています。また、彼はマーク・トウェインの小説『王子と乞食』の主人公のモデルには、エドワード6世が用いられています。

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