エビルン

エビルン（遏必隆）

エビルン（満洲語: ᡝᠪᡞᠯᡠᠨ, ラテン文字転写：ebilun、漢字表記：遏必隆、1619年 - 1673年）は、清朝康熙帝の時代の重要な臣下でした。彼は清の太祖ヌルハチの血縁者であり、康熙帝の皇后である孝昭仁皇后の父親でもあります。満洲鑲黄旗出身で、ニオフル（鈕祜禄）氏を фамилија とします。

生い立ちと初期のキャリア

エビルンの父は、後金の建国に貢献したエイドゥです。母はヌルハチの四女である和碩公主ムクシでした。彼は恵まれた家柄に生まれました。

天聡6年（1632年）に、父の爵位である一等子を継承しました。太宗ホンタイジの時代の対明戦争にも参加し、軍人としてのキャリアをスタートさせました。

順治8年（1651年）には一等公に進み、順治14年（1657年）には鑾儀衛内大臣・太子太保という重要な役職に就きました。

輔政大臣として

順治18年（1661年）、順治帝の崩御後、エビルンはスクサハ、ソニン、オボイと共に、幼い康熙帝を補佐する輔政大臣の一人に任命されました。彼らは合議制で政治を執り行うことになりました。

しかし、康熙6年（1667年）にソニンが亡くなると、オボイが権力を掌握し専横を振るうようになります。エビルンはオボイに追従したため、康熙帝からの信頼を失ってしまいました。

失脚と晩年

康熙8年（1669年）、康熙帝はオボイを逮捕し、その勢力を排除しました。エビルンもその地位を剥奪され、投獄されることになります。

康熙9年（1670年）、父エイドゥの功績により恩赦を受けました。康熙12年（1673年）に亡くなっています。

人物評価

エビルンは、清朝初期の政治において重要な役割を果たしましたが、オボイの専横を許したことで、その評価は分かれています。康熙帝の時代における政治闘争の中で、彼は翻弄された人物の一人と言えるかもしれません。

登場作品

エビルンは、テレビドラマ『康熙王朝』にも登場しています。

参考文献

* 『清史稿』

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